鉄鋼業界では底堅い鋼材需要と原材料価格上昇をバックに、2022年を取引のあり方を改善する年にしたいとの機運が高まっている。国内では自動車など大口顧客との「ひも付き価格交渉」の見直し、海外は規制緩和をにらんだ「高付加価値品」の拡充、地球規模では50年をゴールとする「脱炭素」の技術開発の新たなスタートを切る。高炉大手の取り組みを中心に、大きく変化しそうな鉄鋼業界の動きをまとめた。(編集委員・山中久仁昭)高炉大手はひも付き価格交渉の見直しに着手した。店売りの鋼材とは違って、長期、大量に取引する顧客と価格を相対で決めている。久しく続く商慣習だが、過去に例がない原材料の世界的高騰を機にメスを入れる形だ。価格水準は「世界の市況に比べ陥没している。今後、理不尽な価格は受けられない」(日本製鉄の橋本英二社長)。各社は従来、生産能力が余剰で量をさばくのに追われ、長期取引の安心感から技術アピールも不十分だったのかもしれない。価格の是正は自動車、電機など大手顧客が各社鋼材をどう“評価”するかにかかっている。
見直しは生産・出荷前の価格決定、交渉の短期間化というタイミング面にも及ぶ。事後に決められたのは、原料価格が比較的安定していたため。ただ事前決定でも「お互い損得の問題はない」(橋本社長)ことから多くの顧客は受け入れ、4月以降実施されそうだ。交渉を従来の半期ごとから四半期ごとに短期間化すれば、原料価格の変動があっても、鋼材価格への転嫁がより早くできるようになる。現実には「顧客の事情もあり個別に対応する」(神戸製鋼所の山口貢社長)という。21年11月、萩生田光一経済産業相と来日したレモンド米商務長官は、米通商拡大法232条に基づく25%追加関税(アルミニウムには10%)の見直し協議の開始で合意した。レモンド米商務長官(右)と会談した萩生田経産相(昨年11月15日、都内=経産省提供)
各社は高級鋼の輸出に期待をかける。JFEスチールは米国で生産できない高付加価値品への適用除外枠で、電磁鋼板などを一部輸出してきた。「緩和されれば、合弁拠点にスラブ(半製品)輸出の再開も望めるだろう」(幹部)としている。 同社が出資する米カリフォルニア・スチール・インダストリーズの合弁相手が近く、資源大手企業から米ニューコアに変わる。ニューコアとはメキシコの溶融亜鉛メッキ鋼板事業でも協業しており、鉄鋼会社同士は波長が合う様子だ。
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