植物に囲まれた墓「樹木葬」の需要が、急拡大している。10年ほど前までは樹木葬を手がける宗教法人や霊園は、数えられるほどだったが、現在では全国で1000カ所をゆうに超える。その人気ぶりは、一般的な墓や納骨堂以上だ。樹木葬には、終活を進めていく中での「理想」が、凝縮されている。樹木葬の多くが期限付きの永代供養で規模と費用が抑えられる。さらに死後の自然回帰を想起させるようなイメージとデザインが、とりわけ女性に受けているとみられる。樹木葬の開発や、コンサルティングを手がける株式会社366(本社:東京都港区)の代表、伊藤照男氏はいう。伊藤氏は、樹木葬のパイオニアとして知られる株式会社アンカレッジ(2009年創業、本社:東京都港区)の設立メンバーで、独立後の2020(令和2)年に同社を立ち上げた。わが国において、樹木葬の動向を最もよく知る人物のひとりである。
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