日米韓は17日、初の財務相会合を米首都ワシントンで開催した。会合後に発表した共同声明は、外国為替市場で円とウォンが対ドルで急落していることについて「我々は日韓の深刻な懸念を認識しつつ、外為市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」と明記。対中国を念頭に3カ国が経済協力を深める中、通貨安に苦しむ日韓に米国が一定の理解を示す格好となった。
外為市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが当初予想より大幅に遅れるとの見方から、低金利の円やウォンを売って高金利のドルを買う動きが活発化。円は1ドル=154円台と約34年ぶりの安値になり、ウォンも2022年11月以来約1年5カ月ぶりの水準に下落していた。 日韓両国では過度な通貨安で輸入物価が上がり、国民生活に打撃を与える懸念が浮上。為替は市場に委ねて政府は介入しないのが原則だが、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に3カ国の経済連携を深める必要が増す中、米国が共同声明の表現で日韓に配慮した可能性がある。円安に関する懸念を日米で共有するとの趣旨を盛り込んだ共同声明について、同行した神田真人財務官は「史上初めて」と評価した。共同声明の発表後、円相場はやや円高に振れた。
共同声明は「自国経済と世界経済にとって3カ国間関係の重要性を確認する」と強調。「非市場的慣行による我々の経済への損害に打ち勝つための重要性を強調する。サプライチェーン(供給網)の強化に向け、共に取り組む」として、半導体などの重要物資の調達で日米韓が連携を深める考えを改めて示した。
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