ポップカルチャーとも縁深いカンゴールのはじまりは「ベレー帽」だった

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「大人の名品図鑑」帽子編 #4かつて帽子は日除けや防寒などの実用的な目的、あるいは社会における身分や階級の象徴として進化したが、いまやファッションアイテムとして、老若男女に愛用される装身具=アクセサリ...

でも紹介したが、ベレー帽はヨーロッパに起源をもつ帽子だ。『ファッション辞典』(文化出版局)によれば、「歴史は古く古代ギリシャ、ローマ時代にさかのぼるが、実際にファッションの一部として登場したのは、スペイン北部のバスク地方でかぶられていた農民の帽子、バスクベレーが起源」とある。1840年創業のフランスの老舗ベレー帽、ロレールのWEBサイトによれば、フランスのベアルン地方の羊飼いたちがフェルト状になった羊毛が密度を増すとしっかりした形になることを発見、フェルトで帽子を製作し、雨や風、あるいは日差しから身を守るために実用品としてかぶったのがベレー帽の始まりとある。

つまりベレー帽の始まりは民族衣装だったのだ。またこの地を訪れたナポレオン3世が、農民がかぶっている帽子を気に入り、「ベレー・バスク」と呼んで身に着けたことから、フランス、スペイン、イタリアをはじめ世界中に広まったとも記されている。フランスやスペインに老舗のベレー帽ブランドが多いのはこうした由来からだろう。しかし今回紹介するベレー帽は、英国で誕生したハットブランドであるカンゴールの製品だ。日本でも人気のハットブランドだが、その創業は1918年と歴史は古い。元軍人だったジャック・スプライルゲンという人物が英国で帽子店を開業、フランスからベレー帽の輸入をスタートし、その後英国でもベレー帽の製造を手掛けるようになった。つまりカンゴールの始まりはベレー帽だったのである。38年には他ブランドとの差別化を図るためにカンゴール(KANGOL)というブランドをスタート、名前はニット(knitting)の“K”と、アンゴラ(angora)から“ANG”を、ウール(wool)から“OL”をとり、組み合わせてKANGOLとした。

第二次世界大戦中には、英国陸軍のベレー帽にも採用され、ダッフルコートを着用したことでも知られるバーナード・モンゴメリー元帥が愛用した。カンゴールのベレー帽のコレクションの中には元帥の愛称である「MONTY」を冠したモデルが現在でもラインナップされている。また大戦終了後の48年に開かれたロンドンオリンピックでは、英国選手全員が同ブランドのベレー帽をかぶり入場行進をしている写真が残されている。 50年代にはピエール・カルダンやマリー・クヮントなどのデザイナーたちともコラボレーションし、評価を高める。さらに60年代に入ると当時人気絶頂のビートルズを広告に起用、ベレー帽や「ビートルキャップ」と名付けられた特別なデザインの帽子をかぶった4人が写真に収められ、音楽の世界にまでその名を広めた。そして80年代になると、ベレー帽ではないが、LL COOL JやRUN DMCといった人気ヒップホップアーティストたちが同ブランドの帽子をステージ等でかぶり、ストリートファッションに欠かせないアイテムとして一世を風靡した。また1954年に誕生した「504」の品番で知られるハンチングも、カンゴールを代表する名品中の名品だ。ミュージシャンたちは前後を逆にした「BACK TO FRONT」の「504」スタイルでベレー帽風にかぶり、多くの人たちが真似た。

今回取り上げるのは、「MODELANE BERET」というモデル。素材に縮絨ウールを採用し、1938年から変わらない製法でつくられた逸品だ。柔らかい素材で仕立てられているので、かぶりやすく男性からも女性からも人気。シンプルなデザインながらカラーバリエーションが豊富なので、スタイルや服装に合わせて個性を演出するアクセサリーとして活用しやすい。帽子の左横にはKANGOLのロゴが刺繍で入っている。ベレー帽で創業したカンゴールの歴史と伝統を体現する帽子と言っても過言ではない。

 

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