スポーツ科学部開設記念シンポジウム - スポーツナビ

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大阪体育大学スポーツ科学部開設を記念したシンポジウム「スポーツサイエンスが拓く未来」(3月23日)では、日本代表選手ら…

原田宗彦学長とは国の審議会をはじめ東京オリパラ招致の前から様々な会議でご一緒させていただいている。大阪体育大学と私たちの組織は連携協定を結び、人事交流のほか大学院の授業も担当している。大阪体育大学のOB・OG多数がHPSC/JISSで働き、みなさんとはかなり近い関係だと思っている。大阪体育大学とHPSC/JISSの関係は大変深く、今後も深めていきたい。

競技力の競争構造は変化している。高速化・高度化がどんどん進んでいる。陸上競技の100mは昔と比べて記録が上がり、ウサイン・ボルトさんの世界記録9秒58を抜く選手はまだ出ていないが、おそらく抜いていく。水泳、スピードスケートなどでも高速化が進む。高度化の点では、体操は1964年東京五輪でウルトラCと言われたが、今はウルトラI。6段階上がっている。ウルトラIの演技を男子の選手たちはやっている。さらに毎日毎日、最大限にトレーニングをしているため、高強度の負荷が体にかかる。高強度の負荷がかかった体を高品質のスポーツ医・科学を使った支援でリカバリーしていかなければいけない。このことを分かっていると、この試合はやめよう、この試合には出ようと選んでいくことの必要性が理解できるだろう。

サッカーで、ボールを常にキープしながら相手のゴールに向かっていくことをポゼッションサッカーと言うが、今どんどん選手のボールの保持時間が下がっている。2006年のW杯で3位になったドイツが、2・8秒。2014年ブラジル大会で優勝した時は約1秒になった。これもテクノロジーが裏側で関わっている。詳細は省くが、いろいろなところから様々なものが入っていることが分かると、スポーツ科学が楽しくなってくる。 現場には様々な課題がある。激しい運動をして疲れる、疲労が抜けない、種目によっては減量に伴う精神的なストレスを感じ、女性は月経異常を起こすこともある。暑熱や寒冷地の環境、さらには長距離移動なども課題だ。私たちは、様々な課題を抽出してコンディショニングプログラムとしてまとめ、課題解決のアドバイスをコーチたちと進めている。その中で、私たちの特徴の一つとして、暑熱順化がある。暑さに慣れるため事前に順化トレーニングをしているが、温度と湿度を変えることができる環境制御室に入って暑熱順化をすると、暑さの中でも実際に疲れにくい。また、シャーベット状のアイススラリーを飲み、手のひらで静脈と動脈がつながる部分を冷やして体の温度を下げる。東京オリンピック・パラリンピックでも実施された。

合わせて、JISSは2001年10月の開所から20年以上経つが、これまでの知見を「フィットネスチェックハンドブック」という1冊の本にまとめた。氏名が特定されないかたちで各競技の体力測定等のデータが入っており、スポーツ科学に携わる方には手に取っていただきたい。 さらにハイパフォーマンス領域で培った栄養、心理、映像、体力測定など様々な分野をパッケージ化して、研修プログラムとしてHPSCが承認したものを地域に展開している。これらを大阪体育大学で使っていただくこともできるし、大阪体育大学から和歌山、大阪、京都、滋賀など様々なところへ展開していくことも十分できる。こういったことを考えて仕事を進めている。ハイパフォーマンス領域で培ったものを大学、中学校、小学校などに展開する。そのために大学との連携は欠かせない。私たちはハイパフォーマンス領域には専門家として関わっているが、実は小学生の体力レベルの研究や生化学のものはない。もし大阪体育大学にその専門家がいれば、私たちが培った知見のトランスレーターになってもらい、新たなパッケージを作ることは十分に可能だと思う。

そもそもデータ哲学、データを扱うときの心構えは、「勝つべくして勝ちたい」ということ。「一生懸命」「思い切ってやる」は、スポーツの最後の最後でかける言葉だが、そこに至るまでは「勝つべくして勝つ」準備が必要で、そのためにはデータが必要不可欠だ。データと言うと、情報が多くて取り扱いが難しそうだが、行きつくところは、自分たちの行動に移せるかどうか。「これをやったら勝てるよね」に行き着く情報ではないと価値はない。いろんなデータを扱ったとしても、「こうやったら勝てる」という論理的確信につながるデータを使えるようにしたい。勝負事なので絶対はないが、論理的には「絶対これだったら勝てる」というところまでは、スポーツサイエンスを通して持てることができる。それを持って勝負していれば、どこでつまずいたのか分かるし、調整が失敗に終わったとしても自分を卑下する必要はない。「これができなかった」とちゃんと受け止めて、次につなげていける。ちゃんとデータ分析をして論理的確信をもって臨むというプロセスを大事にしてほしい。

以上が1つ目のバスケットの特性の話だが、2つ目として、戦略として勝つために、自分たちの強みを理解し、強みを相手にぶつけることが、バスケットボールなど対人競技で大事なポイントになる。自分たちの卓越性をどう見つけていくかがポイントで、自分たちの強みを分かっているかどうかは本当に大事。トップアスリートで結果を出している人は、これをちゃんと理解している。これを分からずに「とにかく頑張る」「言われたことをやります」と言う人は、人との勝負ができず、本当の力を出せていないのではないか。

 

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