リストに並ぶ色名を見ていて目に付くのは、通常の色見本のように「白」「黒」といった名前ではなく、パステル調のオレンジには「パパイア・ホイップ」、淡い黄色には「レモン・シフォン」といったように抽象的な名前が付けられている点。ともすると妙なロマン主義かぶれにも見える色名なのですが、なぜ色にこのような名前が付けられたのか、その歴史は1980年代にまでさかのぼります。でGUIがリリースされたのがきっかけで、続く1986年にリリースされたX10R3にはGUIカラーのリストが実装されていました。なお、この時のリストは「dark red」と「DarkRed」のように、2種類の表記を使った69個の色名が記されていたとのこと。
現在使われている「色名」が本格的に世に登場したのは1989年にX11R4がリリースされた時。当時はどのマシンを使うかによって色の見え方が全く違っていたため、「『小麦色』が全然小麦色じゃない」ということも。そこで、ユーザーたちからの「色の正確性をなんとかして欲しい」という声に答えるため、X11R4ではユーザー環境によって大きな差異を生み出さないような柔らかみのある中間色が多く追加され、「パパイア・ホイップ」「レモン・シフォン」「ピーチ・パフ」のようなやや抽象的な名前がつけられたわけです。 X11R4のカラーデータを作り出したポール・レイベリング氏は、それらの色名を今は存在しない塗装会社「Sinclair Paints」から借用していました。ただし、許可を取らずに勝手に名前を借りていたため、後に行ったその後、プログラマーのジョン・C・トマス氏によって、X Window Systemにはさらに明るい色が実装されることに。レイベリング氏は「ユーザー環境の違いによって混乱を起こさない」よう尽力したわけですが、トマス氏は同僚から「RGB色名データベースのデフォルトカラーにはぞっとするよ。特にピンクなんて、数時間吐いた人か自殺した人の顔色みたいじゃないか」という意見を聞き、ディスプレイによって見え方が異なる色名を標準化することが、無意味だと考え始めていました。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: gigazine - 🏆 80. / 51 続きを読む »
ソース: gigazine - 🏆 80. / 51 続きを読む »
ソース: gigazine - 🏆 80. / 51 続きを読む »
ソース: nhk_news - 🏆 22. / 63 続きを読む »