【鑑賞眼】劇団☆新感線「狐晴明九尾狩」 美しき陰陽師のガチンコ対決

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【鑑賞眼】劇団☆新感線「狐晴明九尾狩」 美しき陰陽師のガチンコ対決 人物が入り乱れる前半は少し交通整理に頭を使うが、後半にかけてのスピーディーな展開は気持ちいい。

物語の舞台は陰陽師(おんみょうじ)が活躍する平安時代の京都。陰陽師の安倍晴明(中村倫也)は大陸から九尾の狐が渡ってきたことに気づき、帝に危機を伝えようとするが、帝の母、元方院(高田聖子)から拒否される。元方院が頼ったのは、大陸留学から戻ったばかりの由緒正しき陰陽師、賀茂利風(向井理)。晴明は旧友である利風が九尾の狐に乗っ取られていることを見抜き、狐狩りの策をめぐらす。

九尾の狐を一族の仇(かたき)として追う「狐霊(フーリン)一族」の桃(タオ、吉岡里帆)と藍(ラン、早乙女友貴)のきょうだいは、明るくはつらつとして陽のオーラがある。妖(あや)かしを従えた謎の陰陽師、蘆屋道満(千葉哲也)、実直な検非違使、尖渦雅(浅利陽介)、役人にはむかう野武士の統領、虹川悪兵太(竜星涼)といったゲスト俳優の面々に、おなじみの新感線の劇団員が、妖かしや式神にふんして盛り上げる。矢沢永吉をほうふつとさせる竜星は、熱さとクールさが入り交じった絶妙な役作りが楽しい。何かたくらむ役をやらせれば随一の粟根まことが私欲にまみれた左大臣、藤原近頼をいやらしさたっぷりに演じ、都を出て「人間性」を取り戻していく右大臣、橘師師(右近健一)との対比を鮮やかにみせた。

人物が入り乱れる前半は少し交通整理に頭を使うが、後半にかけてのスピーディーな展開は気持ちいい。晴明対利風の戦いは、さまざまな人物(と妖怪)を巻き込みながらも、最後は陰陽道の技と頭脳戦の様相を呈す。そして、その頭脳戦を制するカギとなるのが、人間の「情」であり、2人の「絆」であるというメッセージは心に響く。 脚本の中島かずきが、晴明を描いた物語を作りたいと考えたのは、もうずいぶん前のことだという。劇団40周年の昨年、新作を引っ提げ大型公演を企画していたが、世界は妖かしのような新型ウイルスとともに生きることを強制されてしまった。明けて今年、混沌(こんとん)とした時代の中で劇団が出してきたのが、若く美しいふたりが演じる陰陽師のガチンコ対決だ。

戦いは晴明に軍配が上がるが、晴明は決してスーパーヒーローではない。敵を封じるには痛みも伴うし、失うものも大きい。それでも晴明は、妖かしと人が〝共存〟する社会をめざし、人や妖かしとのつながりの中で生きることに救いを見いだす。新型ウイルスとの戦いに明け暮れるわれわれにとって、示唆に富むラストだ。

 

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