2022年はこれまでないほど、新車試乗でEVにあたる機会が多かった。とてもとても、すべてのニューモデルEVに試乗し切れている訳ではないが、日産『サクラ』/三菱『ekワゴンEV』のような身近な軽自動車カテゴリーから、欧州B/CセグメントのSUV/SUVクーペ辺りまで、今年は一部のハイエンドやEV専の新興メーカーだけでなく、日欧のスタンダード・クラスが続々EV化してきた。乗り手の使用環境さえ許せば、もはやEVが特別な選択肢ではなくなってきた証左でもある。
Q4 e-tronのWLTCモード576kmという最大レンジ目安は、今回試したわけではないがe-tron GTの534kmをも凌ぐ。駆動用バッテリー容量は82kWh(グロス値、ネット値は77kWh)と、e-tron GT(グロスで93.4kWh、ネットで84kWh)より1割ほど下回るにも関わらず、だ。ちなみにQ4 e-tronの空力は、地を這うようにロー&ワイドなe-tron GTのCd値0.24に迫る0.28を達成している。 しかも後席の足元スペースはフラットフロアの恩恵がもっとも出たところといえ、感覚的だが拳2コ分ぐらいQ4 e-tronが下剋上してしまった感すらある。ボディ外寸はQ5より全長が10cm近く短く、全幅は3cm近く短いにも関わらず、だ。
シフト左側の電源スイッチは、ドライバーの重量を感知するセンサーと連動していて、シート上に座った状態でないとONにはならない。ウィーンとかツーンといった電気音もほとんど室内に侵入せず、表示だけが通電を知らせてくる感覚だ。握りは太いが、低速域ではさらりさらりと、軽めの応力で切れていくステアリングの手ごたえは、いつも通りのアウディらしさだ。市街地でも平滑な路面なら、2100kgという車重はしっとりした乗り心地に作用している印象だ。ノーマルモードであればアクセルを強めに踏んでも310Nmのトルクがドーンと炸裂するでもなく、RWDとはいえ強烈に蹴り上げてドライバーの背中を小突くでもなく、適度に丸められたラグのないトルクが供給される。鈍重とはいわせない、歯切れいいドライバビリティも手伝い、タウンスピード域ではとても「市民的」な印象だ。Dレンジ走行中でシフトレバーでBレンジに入れずとも、手元のパドルを左>右>左>左の順に引くと、3段階ある回生ブレーキをすぐさま最強段階に、しかもステアリングから手を放さずに操作できる点も、小気味いい。
じつは欧州ではすでにアウディ伝統のAWDたるQ4 e-tron 50クワトロがラインナップされているが、FFでもないリア2駆の雑味のないドライバビリティを備えたアウディという意味でも、40は貴重な存在かもしれない。例によってドライブモード切替で「ダイナミック」にも設定できるが、車のキャラが過激に変化するというよりは、手元・足元の操作に対する敏感度が増すぐらいの変化だ。もうひとつ感心したのは、夕刻から夜にかけての暗い時間帯の試乗だったが、シフトの手元をほんのり照らす灯りからアンビエントライトまで、照明の灯し方がいい意味でEV臭くない。平たくいってバッテリー残量を気にしてケチくさくなった雰囲気の車内照明ではない。
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