そんな中、1か月で作った『掘るハクスラ』でさらに手応えをつかみました。評価が分かれましたが、ぐっとインストール数が上がったんです。次のゲームでは規模感を上げて、2か月で『配合ダンジョンモンスターズ』を作りました。このゲームまでは広告型のゲームでした。やるからには稼ぎたいし、買い切り型は博打という考えでした。ただ、今までリリースしたゲームを多くのユーザー様に遊んでいただいたおかげで、月にある程度ではありますが、安定してお金が入るようになりました。そのため、博打ではあるけど、挑戦してみたかった買い切り型ゲームとして『7 Days to End with You』を作りました。──『7 Days to End with You』は、完成までどれくらいかかったのでしょうか。
たとえば船旅では、新潟から北海道のフェリーが16時間ぐらいかかったんですよ。その時に海外のお兄さんと仲良くなりました。ただ、密閉された空間なのでコミュニケーションから逃げられない。でも自分は農業高校出身で、英語も苦手意識があり、知っている単語もIとかYouレベルでした。でもそのレベルでも、この人と会話してみたいと思い、何とか意思疎通ができました。フェリーで外国の人と話して、後から気づいたのは「言葉を知ってる」だけが重要なのではなくて、コミュニケーションをとりたい熱量が大事というのが経験としてわかったんです。大人で日本語同士で話しても、会話が通じない人ももちろん出てきます。言語はツールであって、会話は相手へのリスペクトとか、相手のことを知りたいという熱量を持っていると成立するんだと思います。そんな体験ができるゲームがほかでは出なかったので、自分で作ったというところはあります。
ルビを入れるというのは、面白さのキーだと思っています。プロトタイプの時はルビがなくて、毎日目にするみんなにとって当たり前の「ルビ」にたどりついたのがターニングポイントです。そこまでたどり着くのが大変でした。そのほか、特徴的なゲームデザインを考える上でこの作品の場合、物語に余白を持たせるにはどうすればよいか、という事を考えていました。『7 Days to End with You』は、言葉がまったく分からないというインパクトを生み出しています。そのため、あまり注目はされていませんが特徴的なシステムルールがもう一つあります。 ただ、このあたりのアイデアは、考えついて1回の制作で完成できたかというとそうではなく、何度もプロトタイプをスクラップアンドビルドしています。新しいゲームを作ろうとしているので、頭の中だけで動かして面白さを確認することがどうしても難しいんですよね。なので、実際に作ってみて、試してみてダメだったら潔く破棄する。作り直す。その繰り返しでした。たとえば、元々は1日ごとに区切るシステムではなく、リアルタイムの時間制限だったり。システム系の文字もすべて架空言語で統一し、現実の文字は一切なかったり。グラフィックも同様で、プロトタイプのアートデザインはもっと寒色系で、暖色系に書き直した後、さらにドットの解像度を上げてすべて描き直したりしています。あのキャラクターも、3~4回は描きなおしてますね。こんな感じで上げれば数えきれないのですが、無数の可能性の中からすべて再現してみて、実際に手に取って遊び、良いと思った仕様を抽出しています。この作り方は、一人で制作しているからこそ出来るものかもしれません。もしチームで制作していたら。スクラップし過ぎて、メンバーに「このゲームは完成しない」と思われるでしょう。
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