新型『M3セダン』のワゴン版として登場したのが、M3ツーリングだ。BMW Mの歴史において、M3ツーリングが市販されるのは、今回が初めてになる。M3ツーリングでは、ベース車両の新型『3シリーズ・ツーリング』に対して、トレッドやフロントエアインテークの拡大、4本のエキゾーストテールパイプなどにより、MのDNAを表現している。
新型M3セダン同様、3.0リットル直列6気筒ガソリン「Mツインパワーターボ」エンジンの最新版を搭載する。M3ツーリングは「コンペティション」のみが用意され、3.0リットル直6ガソリンツインターボエンジンは、最大出力510hp/6250rpm、最大トルク66.3kgm/2750~5500rpmを発生する。 トランスミッションは「ドライブロジック」付きの8速「Mステップトロニック」、駆動方式は4WDの「M xDrive」。0~100km/h加速は3.6秒、最高速は250km/h(リミッター作動)。オプションの「Mドライバーズパッケージ」では、最高速が280km/hに引き上げられる。M xDriveシステムには、駆動トルクをホイールに伝達するプロペラシャフトとアウトプットシャフト、ファイナルドライブの「アクティブMディファレンシャル」を組み合わせる。前後ホイール間の駆動トルクは、必要に応じてトランスファーケース内の電子制御多板クラッチが無段階に可変配分し、左右の後輪間の駆動トルクはアクティブMディファレンシャルが振り分ける。これにより、スポーツ走行の際や左右のホイール間で路面グリップの異なる場面において、トラクション、俊敏性、安定性を大幅に向上させる、と自負する。
M xDriveとアクティブMディファレンシャルは、「ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)」とネットワークで結ばれており、走行状態に合わせて2つのシステム間の協調を調整する。走行状況の変化に素早く対応するため、トランスファーケースにはホイールスリップコントロール機能を統合した。これにより、前後アクスル間のわずかな回転数差は、セントラルコントロールユニットにフィードバックすることなく、迅速かつ直接的に補整されるという。 通常の走行状態では、システムはすべての駆動力を後輪に送る。後輪が駆動力を路面に伝達しきれなくなったとき、初めて前輪に駆動力が供給される。この特別なセットアップにより、M xDriveはBMW Mモデルの伝統的な特長の駆けぬける歓びを実現するという。
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