毎年ゴールデンウィークの時期が過ぎると、夫婦間トラブルの相談が増える傾向がある。年末年始と同様、夫婦どちらかの実家に帰省する際にパートナーや義親へのイライラが爆発する、というのがその理由の大半を占めている。「結婚当初から夫の実家に帰省するたびに義母からイヤミを言われてイヤな思いをしていました。いまだに許せないのは、義母よりも、私をフォローしようとしない夫のほうなんです」とN美さん(36歳)は憤る。N美さんは4年前、5歳年下の夫と「授かり婚」をした。
「そもそも義母は、自分の息子が彼より5歳年上の私と結婚することに反対だったようです。結婚の挨拶をしに、はじめて夫の実家に行ったとき『せっかく大学院まで行って社会人としてもこれからというときに、いきなり子どもができたから結婚するなんて言われても、正直な話、ガッカリするに決まっているじゃないの』と言われたことはいまだにハッキリと覚えています。思い返せば、そのときの夫も母親に言い返そうとはせず、ただ笑っているだけでした」N美さんが夫の実家に帰省するのは、年末年始とゴールデンウィーク、夏休みの年3回。帰省中は毎日のように義母からのイヤミが続き、そのたびに憂鬱な気持ちになるというN美さん。「『たまにはN美さんがお昼ご飯を用意してちょうだいよ』という義母のリクエストにしたがってサンドイッチをつくったところ『あら、ご飯をお願いしたのにパンが出てきたわ。ごめんなさいね、ウチは主人も私もパンは苦手なのよ』と、まさかのつくり直しを命じられたんです」。
N美さんがさらに驚いたのは、その顚末を報告したときの夫の反応だったといいます。「夫は、自分の母親のワガママを詫びたり、私の労をねぎらったりすることは一切せず、むしろ『田舎の年寄りにサンドイッチを食べさせようとするほうが間違っているんじゃない?』と私を批判したんです。結婚以来、夫は一度たりとも私の味方についてくれません。もうこの人には何を話しても理解してもらえないのだろうな、と心から失望しています」。「コロナ禍をきっかけに、夫の実家に帰るのはやめました」と話すR子さん(41歳)も、帰省中の夫に憤る妻のひとりだ。R子さんは同じ年の夫と6年前に結婚し、子どもはいない。結婚以来、年末年始はR子さんの実家、ゴールデンウィークは夫の実家にそれぞれ帰省することが慣例になっていた。
R子さんが夫を腹立たしく思う理由は、実家での夫の態度だという。「実家に帰っても、夫は私を置き去りにして出かけてしまうことがほとんど。帰省するたびに同窓会に参加するのは仕方ないとしても、『地元の友だちとのパチンコに行ってくる』『高校のときの友だちが開いた居酒屋に顔を出してくる』などと理由をつけて出かけては朝帰りの日々。義両親も『1年に1度なのだから、羽を伸ばさせてやってもいいんじゃない』と、40を過ぎた息子に対してあきれるほど寛容なんです」。 R子さんは義両親とは不仲ではないものの、かといって1日中一緒に過ごせるほど親密でもないとのこと。「日用品や食料品の買い物に付き合ったり、テレビを観ながらおしゃべりしたりするのも、せいぜい2日間が限界。3日目以降は、『早く自宅に戻りたい』という気持ちになります」。
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