1961年生まれ、東京都出身。落語家を目指したこともあったが、大学では社会科の教員免許を取得。卒業後は劇団に所属し、俳優・声優として活動を始める。1990年から2013年までNHK教育テレビ(現・NHK Eテレ)で放送された工作番組「つくってあそぼ」で「わくわくさん」を演じて人気に。現在も幼稚園や保育園から大学まで、幅広い年齢に向けて工作の楽しさを伝えている
だが教育実習で行った母校の高校生が「全然言うことを聞かなかった」うえ、指導についた教員からも叱責されることが続いた。自分は教員に向いていないかもしれないと感じ、何とか免許は取得したものの、久保田さんは教員になることを諦めたそうだ。 「講演などのイベントで子どもたちと接しても、私はいわゆる『いちげんさん』で、その日限りの付き合いです。でも先生は子どもたちと毎日一緒にいて、勉強以外のこともつねに見ているのだから、そこに感じる責任は大きいでしょう。子どもの数が減っているとはいえ、一人ひとりに目を向けることが求められるようにもなっていて、その負担を考えればやはり教員数が足りない。話を聞いていても、みんな疲れているのがわかります」「先生たちも『ほおー!』とか『なるほど』なんて言いながら、楽しそうに取り組んでくれます。こうした反応を見ると、ものづくりの喜びや楽しさは、年齢を超えて誰にでも通用するものだと実感します。また、家にあるもので工夫しながら何かを作ることは、大人にとっても発想の転換にもつながるのではないかと考えています」「今は芯のないトイレットペーパーもありますし、何かの空き容器もそうそう確保できないし、教室の子どもたちみんなに同じ材料を用意するのは難しいですよね。私も『フィルムケースって何ですか』と言われたり、ペットボトルを使った工作のリクエストが増えたりするたびに、時代の変化を感じてきました。職業柄、我が家にはより
「学校での子どもの様子を知るために、保護者としては通知表を頼りにしているのも事実だと思います。成績に一喜一憂しないほうがいいのはわかっていても、やっぱり親ってそういうもの。この点は、一人ひとりの保護者が考え直せたらいいなと思います。私も子どもの通知表に対するリアクションが大きかったので、よく妻に『見る前にまず深呼吸して』と言われていました(笑)」「本当は、先生と保護者や子どもが一緒になって成績をつけられたら面白いと思うんです。先生が見てくれている子どもの様子、子どもが考えていることを保護者とも共有して、お互いに納得する場にすることもできる。でも、学校にも保護者にも、そんな時間は到底ありませんよね。ここは行政も協力して変わる必要があると思います」
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