昨年末には先物市場で７回の利下げが予想されていた見誤り 昨年初めには、銀行業界混乱で当局が利上げを休止すると予想したが的中しなかった。12月にはパウエル連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長が利上げ終了を示唆したことを受け、当局の予想とは相違があっても、積極的な金融緩和にかじを切り今年３月にも最初の利下げがあると予測した。 デリバティブ（金融派生商品）市場は、24年に0.25ポイントの利下げが４回、多くても５回にとどまるとの見方を織り込み始めた。これは当局の想定する３回をわずかに上回る程度だ。昨年末には先物市場で７回の利下げが予想され、その幅も当局の想定を１ポイント上回る水準が見込まれていただけに、大きなシフトだ。
当然ながら21年のように、金利の方向性について当局者自身が誤っている可能性もある。だが投資家は金融政策の道筋について当局の予想と一致させることで、金利決定で不意を突かれる可能性が低くなった。これは、金融市場に一定の安定をもたらすもので、投資家のリスクを限定するかもしれない。先に債券市場は３年連続で厳しい状況に見舞われた。 ペンソ・アドバイザーズの創業者アリ・バーグマン氏は、「インフレ鈍化を目にしている当局者は、保険として利下げをしたいというメッセージを発していることは明らかだ」とし、当局としても景気を失速させるようなタイトな政策を維持するつもりはないと考えられる点に言及。「市場は今、適切に織り込んでいると思う」と述べた。
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