共産党福岡県委員会が2月に開いた県党会議で、流行語大賞で入賞した「ご飯論法」の発案者の党員で漫画評論家の神谷貴行氏に対し、党側が規約違反と認定したブログの削除を求めていたことが18日までに分かった。 産経新聞 が関係者から入手したメモでは「ブログを削除し、自己批判すべきだ」などと幹部が迫っており、言論封殺と批判される可能性がある。 産経新聞 は党側に事実関係の確認などを求めたが、同日までに回答はなかった。
神谷氏は党首公選制を訴えて除名されたジャーナリストの松竹伸幸氏の処分見直しを県委員会内で主張。その議事内容をブログで公表したことが規約違反に当たるとして、2月の県党会議で神谷氏を役員である県委員に再任しなかった。 県党会議では、内田裕県委員長による活動報告後に討論が行われ、神谷氏にも発言機会が与えられた。神谷氏は、ブログへの投稿を規約違反とした党側の決定は「虚偽決定」と反論。内田氏ら県党三役から「除名」をほのめかす文書を示されながら「自己批判を強要された」などと主張した。自らへの調査が(2月時点で)8カ月にも及ぶにもかかわらず、「調査の結論が出ていないのは証拠がなく規約違反ではないためだ」とも述べ、その不当性を訴えた。
こうした神谷氏の主張に複数の幹部が反論。最初に発言した幹部は「神谷氏の規約違反の根拠はブログにあるが、いまだに削除されていない。規約違反を認めて素直に自己批判した方がいい」と要求。別の幹部は「神谷氏の行為を喜ぶのは支配勢力や、共産党の解体を願う勢力である。ブログを削除し、自己批判すべきだ」と非難した。 一連のやりとりを引き取った内田氏は「神谷氏は党内議論を勝手にブログで公表し、党会合で彼を批判した県委員の発言も勝手に公表した」と指摘し、「規約違反」との決定を変えなかった。一方、神谷氏が討論の機会を与えられたことについて、内田氏は「少数意見でも議論した点で、民主集中制が発揮できた」と評価した。
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