台湾有事や尖閣諸島(沖縄県石垣市)への軍事侵攻を念頭に、沖縄・先島諸島の住民らを全員避難させる計画づくりが進んでいる。いわゆる非戦闘員退避活動(NEO)だ。政府は内閣官房に検討班を設け、令和6年度内に全員避難の初期計画を策定する方針だ。NEOは国民を守る上で欠かせない活動で、政府と自治体は真剣に備える責務がある。住民らの輸送には民間の航空機と船舶を用いるが、沖縄県の試算では完了までに最短でも6日程度かかる。空港施設などのインフラ整備が欠かせない。先島諸島から避難する人々を受け入れる九州・山口の自治体も、宿泊施設の確保や食料の備蓄、医療体制の整備、避難が長期化する場合の生活支援策などを整えておく必要がある。
沖縄本島でのシェルター整備や台湾からのNEOにも備えなければならない。有事が切迫すれば、台湾で暮らす邦人や外国人、それから観光客が大挙して日本に避難してくる。先島諸島と台湾の各NEOは同時並行となる可能性が高い。県民の命を顧みない倒錯した発想である。ロシアによる侵略から逃れるためウクライナ東部から多くの同国民が退避した。これもNEOで、日本に避難してきた人々もいる。彼らや彼らを逃したウクライナ当局が戦争を煽ったというのか。そんなことはあるまい。
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