研究論文の筆頭著者であるケント大学のマティアス・ファン=ヒネケン博士は、「隕石落下は、南極であれば人間の活動を脅かす可能性は低いが、人口密度の高い地域で発生すると、数百キロにわたって深刻な被害をもたらすおそれがある」と警鐘を鳴らしている。
研究チームがサンプルとして採取した小さな火成粒子は、黒く丸みを帯び、南極の氷床コア「ドームC」や「ドームフジ」で見つかった小球体と似ていたことから、いずれも43万年前の小惑星衝突で生成されたものと考えられる。研究チームが電子顕微鏡で観察したところ、これらの粒子は、ニッケルを多く含むかんらん石と鉄を主成分とし、ガラスも少し含まれていた。このことから、地球外物質であることがわかる。また、粒子の酸素同位体組成を分析した結果、低温環境で低濃度となる「酸素同位体18」が低かった。つまりこれは、気化した隕石物質の噴流が南極氷床からの酸素と相互作用し、これらの粒子が生成されたことを示している。 ファン=ヒネケン博士は、一連の研究成果をふまえ、「地球の小惑星衝突の記録を完成させるためには、今後、岩の多い地や浅い海底基盤などでも、同様の研究をすすめるべきだ」とし、「我々が今回用いた手法は、海底コアでも応用できるだろう」と述べている。
この程度なら45億年の地球の歴史の中では日常茶飯事だろう。
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