睡眠リズムの調節は睡眠薬でも可能ですが、睡眠薬を服用すると頭痛や疲労などの副作用が発生するという問題や、軍事作戦中の兵士などが睡眠薬を持ち運ぶことは困難という問題が存在します。今回考案された技術は、睡眠リズムの調節に影響するペプチドを精製できるマイクロチップを体内に埋め込むという方法を用いることで、可搬性の問題を解決しています。に基づいて設計されており、マイクロチップに搭載されたLEDライトのオン・オフによってペプチドの生成量を調節できます。マイクロチップは単体では動作せず、マイクロチップを埋め込んだ腕などの部位にバッテリーや通信機能を搭載したバンドを巻き付け、そのバンドとスマートフォンを接続することで睡眠リズムを調節する仕組みを採用。スマートフォン側で、移動先のタイムゾーンなどを指定して好みの睡眠リズムを指定できます。
このマイクロチップに採用されている光遺伝学という学問分野では、すでに多種類の動物の細胞を制御する方法が確立されているとのこと。研究チームの一員であるジョナサン・リブネイ氏は、「光遺伝学を用いれば、理論的には細胞が産生する全ての物質をコントロールできます」と述べ、今回の研究が糖尿病患者へのインスリン投与といった睡眠リズムの調節以外の用途にも適用できる可能性を示しています。 また、研究チームの一員であるジョサイア・ヘスター氏によると、開発中のマイクロチップには他人がハッキングして睡眠リズムを操作することができないように、データをローカルに保存したり、スマートフォンに厳格な認証を求めたりといった対策を施しているとのこと。加えてへスター氏は睡眠に関するデータは機密性の高いものだと指摘し、「開発中のデバイスをAppleやMicrosoftが製品に統合しようとする場合は、データの保存に関する社会的な議論が必要になるでしょう」と述べています。
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