東京都墨田区立の旧向島言問会館をフルリノベーションした3階建ての賃貸物件に、このほど他の部屋より二回りほど大きい看板も設置され、いよいよ体制が整った音羽山部屋。しかし、春場所までに入門させるはずだった外国籍の新弟子に、日本相撲協会から〝待った〟がかかった。師匠の陸奥親方(元大関霧島)の定年で閉鎖が決まった部屋から霧島を引き受けることが決まり、各部屋1人が上限の外国人力士枠が埋まってしまったからだ。
全44部屋のうち20部屋にモンゴル人力士が在籍する一方で、先日亡くなった元横綱曙らが一時代を築いたハワイ勢はいまや全滅。ある親方は「外国人で力士になりたい人はたくさんいる。せめてひとつの部屋にモンゴルからは1人として、各国1人にしてくれればいいのに」と嘆く。 日本人の入門希望者は右肩下がりで、就職場所といわれる春場所でも今年の新弟子検査の受験者は27人止まり。ピークだった1992年の160人から約6分の1まで減った。夏場所からは身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準に満たない志望者の二次検査(運動能力テスト)が導入されたものの、17日に発表された志望者は1人のみ。危機的な状況を迎えつつあるが、それでも日本相撲協会は海外への門戸を拡大する気はないようだ。 (塚沢健太郎)
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