ある日、電車に乗っていた山本さんの通路を挟んで前の席に、制服姿の女子高生が座りました。女子高生は短いスカートで脚を開いたままぐっすり寝てしまい、それを見た山本さんはハラハラ。指摘するか迷ったものの放っておくことができず、「彼女がいつか怖い思いをするかもしれない」と葛藤の末、唯一持っていた紙類でカバンに入っていたレシートの裏にこのように書いたといいます。 「私も娘がいるので許してね。制服の時は足を広げると下着が見えてしまう。足を閉じて座るって疲れるよね。膝を閉じるだけでも見えなくなるの。私もアドバイスもらったの、試してみてね。大きいリュックで土曜日に偉いね、頑張ってね」...
「レシートではなくもっとかわいいメモを持っていたらよかったんですが…」と苦笑しつつも、女子高生が恥ずかしい思いをしないように、文面で伝えることを選びました。 そこまで女子高生の身を案じるのは、山本さん自身が経験した恐怖や、娘を持つ親としての気持ちが根底にあったからです。 「私も昔、同じようなことを指摘してもらったことがありました。また、電車で痴漢被害に遭ったことがあるので、嫌な思いをしないようにという一心でした。彼女が今後何か性犯罪の被害に遭って傷つく方が怖かったです。どうか被害者にならないでほしい。また、娘が最近一人で電車に乗るようになったので、他人事とは思えませんでした」と山本さん。 「(女子高生は)微笑んで会釈してくれましたが、自分の伝え方が正解だったかは分かりません。もしかしたら彼女はイラついたかもしれないし、ウザいと思っていたかも。でも、たとえそう思われていても、こんなウザいこと言われたなと思い出して、少しでも彼女が身を守ることに繋がればと思っています」。...
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