野口五郎が改めて語る作曲家・筒美京平への思い 「やはり天才的な人だと思い知らされた」

歌手の野口五郎がCS歌謡ポップスチャンネルで10日（金）午後6時から放送の「宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星」に出演する。番組では近年の音楽に対する印象などをユーモアを交えて披露した野口。収録後に行われたインタビューでは、ゴールデンコンビとして多くの名曲を生み出した作曲家・筒美京平への思いを語った。「歌手の中でタイトルに『愛』が付く曲は僕が一番多いらしくて。令和元年リリースの『これが愛と言えるように』は、その集大成として作っていただきました。『甘い生活』は半世紀前の曲です。僕が18歳でしたから。昭和54年のアルバムに収録している『最後の楽園』はライブでお客さんのノリがいいので入れました」「サビが詞だけ書いてあって、譜面は書いていなかったんですよ。（筒美）京平先生は昔っから試すのが好きで、僕が好きなように歌って、そのまま録音しました。それで日本レコード大賞作曲賞を取ったんで、半分は僕の力じゃないかって（笑）。後で先生が書いた曲を聞いたら、僕とほとんど同じだったのでびっくりしたけど、先生の方がちょっと良かったので主張するのはやめました」「単なるヒットメーカーじゃなくて総合プロデューサー、いわ

歌手の野口五郎がCS歌謡ポップスチャンネルで10日（金）午後6時から放送の「宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星」に出演する。番組では近年の音楽に対する印象などをユーモアを交えて披露した野口。収録後に行われたインタビューでは、ゴールデンコンビとして多くの名曲を生み出した作曲家・筒美京平への思いを語った。「歌手の中でタイトルに『愛』が付く曲は僕が一番多いらしくて。令和元年リリースの『これが愛と言えるように』は、その集大成として作っていただきました。『甘い生活』は半世紀前の曲です。僕が18歳でしたから。昭和54年のアルバムに収録している『最後の楽園』はライブでお客さんのノリがいいので入れました」「サビが詞だけ書いてあって、譜面は書いていなかったんですよ。（筒美）京平先生は昔っから試すのが好きで、僕が好きなように歌って、そのまま録音しました。それで日本レコード大賞作曲賞を取ったんで、半分は僕の力じゃないかって（笑）。後で先生が書いた曲を聞いたら、僕とほとんど同じだったのでびっくりしたけど、先生の方がちょっと良かったので主張するのはやめました」「単なるヒットメーカーじゃなくて総合プロデューサー、いわばモーツァルトですよね。ご存命の時にポツンと『あのね五郎ちゃんね、僕がアレンジした中で〝私鉄沿線〟が一番うまくいったんだよ』って言われて、その時は深く考えなかったんです。でも亡くなられてから考えると、イントロのエレキシタールの不安定な音は遮断機で、途中の音はクラクションの音だったのか、とか全部分かってきて、やはり天才的な人だなと思い知らされました」「『こういうふうに歌ってほしい』と先生に言われても『僕は僕なんですよ、レコーディングやめよう』なんて突っぱねて。先生が気を使って大きなロブスターをごちそうしてくれたりして。今考えると、よくそんなわがままを言えたもんですよね。でも先生からも『お花を買いに行かない？』って電話がかかってきて、『いいですよ、どこに行くんですか』って聞いたら『ロンドンなんだけど』って。そういう人で、兄弟みたいな関係でしたね」「当時デビッド・スピノザやラリー・カールトンら一流のミュージシャンの演奏で録音したものを、今回は自分で全楽器を演奏して、ほぼ1人でレコーディングしました。これまでの経験から『ここのドラムは誰々にしよう』とか、いろんなプレーヤーが熟成されて出てくるんですよ。最近若いバンドの人に会うと僕の曲を『ライブで普通にやってますよ』って言われるんです。それはうれしくもあるけど、もっともったいつけてやってよって思いもある（笑）。それくらいクオリティーの高い曲ばかりですからね」「あと3枚はできますね。作っていると『あのとき気づかなかったけど、こういうことでしょ？』とか先生と会話しちゃうんです。新しいもの好きだったんで、新しくアレンジしても喜ぶかもしれない。僕が半世紀後にカバーすることも、先生のストーリーでは織り込み済みだったのかもしれませんね」＞1956年2月23日生まれ、岐阜県出身。71年にデビューし、新御三家の一人として国民的人気を博す。近年発表のセルフカバーアルバム「GOROes by my self 2 ～ CITYPOP～」も話題を呼んでいる。

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