2001年の夏。主任研究員・坂本宏司(当時44歳)は実験用の野菜が傷まないよう、野菜を冷凍庫に入れて帰宅。翌週月曜日に出社し、実験を開始したところ、驚くべきことが起こった。この3年、どうしても成し得なかったことができたのだ。「芯も残らず、全体がつぶせるよ!」■ 広島県 立総合技術研究所 食品工業技術センター
それを克服するため、同センターでは当初、酵素液に細断した野菜を漬けて、細胞単位でバラバラにする研究を開始した。だが、狙い通りにはいかなかった。そこで2000年、食材の中に酵素液をしみこませて組織を分解する方法に変更した。食材の中に物質を浸透させる「真空含浸法」は酵素液を作り、食材を浸漬した状態で真空処理(減圧処理)する方法だ。柴田たちは、来る日も来る日も一口大にカットしたニンジンや大根を酵素液に漬けて真空処理したが、食材の表面にしか酵素は浸透せず、表面のみ分離した細胞がペースト化した。「真空含浸法」を採用し始めてから1年。思いがけずブレークスルーを迎える。それが冒頭の出来事だ。一口大のニンジンの中心部まで酵素液をしみこませ、全体を単細胞化ペーストにすることに成功したのだ。「いつもと何が違うのかを徹底的に意見交換しました。数日経ってやっと『まさか、冷凍したから?』という仮説が出され、『冷凍→解凍で、組織が緩むんじゃない?...
食材がもつ栄養成分を保持した色や香りがよいペースト素材を作るために開発した「凍結含浸法」を、形状保持軟化食品の製造に応用するという発想の転換は、県内企業の技術的課題についての相談があってこそ成し得たものだった。広島県は、「凍結含浸法」に関係する特許を複数権利化。これまで50社以上の企業と広島県で特許契約を締結した後、技術研修などを実施し、製造技術を教えている。 「食材を適度に酵素分解して乾燥すると、短時間で湯戻しできる乾燥具材ができることを発見しました。例えば、乾燥ステーキ肉を湯戻しして美味しいステーキにできます。現状、乾燥具材の食材は3〜5分で湯戻しできるものに限られ、一般的に薄く小さい食材ですが、凍結含浸法で酵素処理し乾燥させた具材を利用すれば、厚みのある食材も可能になります。そうなると、短時間で具材感のあるカップ麺も実現できます」
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