全国で街の書店が減り続ける中、書店側もさまざまな工夫を凝らして生き残りの道を探っている。本棚を分け合い、〝推し本〟を売る「シェア型」という業態が広がる一方、仕事や勉強ができる空間を併設して集客増を狙う店も目立つ。地域の情報発信の場で、未知の一冊と出合うきっかけにもなる「知の拠点」を守るために、関係者の模索が続く。人間や動物の「骨格」に関する本を集めた棚もあれば、太宰治の『人間失格』ばかりを収めた棚もある。本の街、東京・神保町に4月にオープンしたシェア型書店「ほんまる」は、さながら偏愛や趣味の見本市のような空間になっている。店のオーナーは書店経営にも力を入れる直木賞作家、今村翔吾さん。店舗やロゴのデザインは佐藤可士和さんが手掛けた。
「書店の減少を食い止めるには、今までと同じではなく、新たな形の書店が必要。ここを出版業界をあきらめない、反撃の本丸にしたい」と今村さんは狙いを語る。日本出版インフラセンターによると、今年3月時点の全国の書店数は1万918店。この10年で約4700店も減った。人口の減少に加え、ネット通販や電子書籍の普及などを受けて書店に足を運ぶ機会が少なくなり、小規模店を中心に淘汰が進んでいるとされる。苦境を受け、経済産業省も3月、書店振興プロジェクトチームを設置し支援策の検討を始めた。 シェア型書店は、仏文学者の鹿島茂さんがプロデュースする店が同じ神保町にある。参入ハードルが低いの大きな利点で、近年広がっている業態だ。「ほんまる」の棚主になった札幌市の女性会社員も「本屋さんへのあこがれがあった。月額費用のみで自分の店を持てるのは魅力」と喜ぶ。コロナ禍きっかけ千葉県八千代市にある商業施設「イオンモール八千代緑が丘店」。このモールに入居する未来屋書店は令和3年、仕事や勉強などに使えるコワーキングスペース「MIRAIYA Bookmark...
相乗効果も出ている。利用者は隣の書店から精算前の新刊を3冊まで自席に持ち込めるので、じっくり試し読みできる。席にはビジネス書の要約アプリ「flier(フライヤー)」に接続するQRコードも備え付けてある。スマホでアプリ上の要約を読んで興味を持ち、帰り際にビジネス書を購入する客も少なくないという。土屋さんは「書店にふらっと足を運んで、何か思いがけないものを得られたらうれしいもの。そんな体験をしてもらうために何をすべきかを考え続けたい」と語る。 作家の今村さんも「ほんまる」について「子供のころにお小遣いを握りしめて本屋さんに行ったときのワクワク感が再現できた」と話す。本との偶然の出合いを演出したい−。そんな思いが書店再興を目指す人々の背中を押している。
ビジネス ニュース 速報 トピックス 写真 RSS 最新 事件 事故
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: oricon - 🏆 36. / 63 続きを読む »
ソース: oricon - 🏆 36. / 63 続きを読む »
ソース: PRTIMES_BIZ - 🏆 115. / 51 続きを読む »
ソース: oricon - 🏆 36. / 63 続きを読む »
ソース: oricon - 🏆 36. / 63 続きを読む »
ソース: oricon - 🏆 36. / 63 続きを読む »