延田グループ・マスターズＧＣレディス最終日（２２日、兵庫・マスターズＧＣ＝６４９５ヤード、パー７２）首位タイで出た菅沼菜々（２３）＝あいおいニッセイ同和損保＝が３バーディー、１ボギーの７０で回り、通算１４アンダーで優勝。今大会を最後に日本ツアーを引退したイ・ボミ（３５）＝韓国＝を目標に掲げた〝アイドルゴルファー〟が、８月の「ＮＥＣ軽井沢７２」に続くツアー通算２勝目を挙げた。尾関彩美悠（２０）＝ＪＦＥスチール、山下美夢有（２２）＝加賀電子、福田真未（３１）＝安川電機＝が２打差の２位だった。「みんなが私を見ている。気持ち良かった。ボミさんが引退される大会で優勝できてうれしい」
貯金は２つ。パーオンした時点で優勝に当確ランプをつけた。２０１８年のプロデビューから１２２試合かかった８月の初優勝はプレーオフ。それからわずか８試合目での２勝目は逃げ切りで手にした。４番（パー４）で２打目を４メートル、９番（パー４）もピン左４メートルにつけてバーディー。１２番（パー５）は３打目をピン奥１メートルに寄せて、スコアを伸ばした。グリーンの速さを表すスティンプメーターは１３フィートもあった。誰もが「今年で一番速い」と目を丸くした高速グリーンを「大好き。私には合っていた」と苦にしなかった。ボギーは４日間で４個。「すごく安定していた」と今週から投入した新ドライバー「ニューゼクシオ」（住友ゴム工業）も吉と出た。
２週前の大会は体調不良で途中棄権した。発熱に腹痛、吐き気。ウイルス性腸炎だった。体重は３キロ落ちた。前週は予選落ち。だが、落ち込むことはなかった。「終わったことを悩んでも仕方ないし、時間がもったいない。悩むなら寝ます。昔からポジティブなんで」。 鏡を見て、かわいいポーズを研究する。リボンもトレードマーク。「きゃぴきゃぴ系を目指します」と笑う姿とは別の顔があるド根性アイドルのＶ字回復。「ボミさんが引退されたあとも女子ゴルフを盛り上げていきたい」。ボミには「本当にかわいい」とお墨付きをもらい、ポスト・ボミに名乗り。炎上防止という〝自称〟も不要となる日も遠くない。（臼杵孝志） ■菅沼 菜々（すがぬま・なな） ２０００（平成１２）年２月１０日生まれ、２３歳。東京・立川市出身。父・真一さんの影響で５歳からゴルフを始める。埼玉栄高３年時に「日本ジュニア」優勝。１８年のプロテストに一発合格し、２０−２１年の統合シーズンに初シードを獲得。２２年は０勝ながらメルセデスランク８位、賞金ランク９位。今年８月の「ＮＥＣ軽井沢７２」で初優勝。今季メルセデスランク８位。無類のアイドル好きで現在は乃木坂４６のファン。推しは一ノ瀬美空。得意クラブはパター。１５８センチ。
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