自信を無くしたFRB議長、日本側の為替介入は傍観か

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3月7日の米上院銀行委員会における証言で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、インフレ鈍化により利下げに踏み切ることに自信を持つのは「遠いことではなかろう(not far)」と語っていた。しかし、4月16日には、「最近の経済データにより、明らかに(インフレ目標達成の)自信が持てなくなり、その自信を得るまでにいまだ時間がかかる」とあっさり前言をひるがえした。パウエル氏は、今回のインフレ勃

パウエル氏は、今回のインフレ勃発時には「一時的」と甘くみて、インフレ対応が後手に回り、更にインフレ収束段階でも見誤り、屈辱の成り行きとなっている。パウエル氏は弁護士出身でエコノミストではないから、などと市場内では陰口もたたかれている。利下げ開始時期と回数の予測も、今や、最速9月説が最有力となり、8月恒例のジャクソンホール中央銀行フォーラムへの注目度がにわかに高まっている。回数は最大でも2回、主流は1回となり、年内利下げ見送り説も増えつつある。一昨日まで3回説に固執していたアナリストは、言い訳か、予測修正か、苦しい立場に追い込まれた。

年初には3月利下げ開始で7回というシナリオが市場では織り込まれていたことを思うと隔世の感がある。金利先物市場の動きから政策金利を予想する「フェドウオッチ」も、所詮、瞬間風速に過ぎないとの認識も一般化してきた。アナリスト解説の際の材料としては使い勝手が良いが、後出しじゃんけんと割り切って見るべきであろう。 さらに、今回のパウエル議長の変心に困惑しているのは、日本の金融当局ではないか。円安がドル高要因で年内続く可能性が強まったからだ。頼みのパウエル氏が、利下げへのピボット(転換)の自信を無くしたと明言したことは、深読みすれば、不透明な市場環境で、為替の異常な動きを抑制する日本側の介入に対して、やむをえまい、と理解を示したと考えられるからだ。しかし、ドル金利の高止まりによるドル高基調の最中でのドル売り・円買い介入は、ますます「アウェー感」が強まる。仮に1ドル=140円台後半までの円高を実現できても、介入の手を緩めれば、世界中の為替投機家たちが、ドル買い・円売りを再開するであろう。そうなると「モグラたたき」になりかねない。通貨投機集団にしても、今回ばかりは、FRB議長お墨付きのドル買いとなろう。

振り返れば、日本金融当局は「介入するなら今」という絶好のタイミングを失している。4月11日、日本時間早暁のこと。ニューヨーク市場の大引けを待っていたかのように投機筋が円安の加速を狙って円売りを仕掛け、円は大台の153円台に下落した。時間外ゆえ最も取引が薄い時間帯が狙われた。しかし、同じ理由で介入当局も、場に出ている円売り注文を片っ端から全買いしやすい時間帯でもある。しかも、午前9時以降は東京市場がオープンして、当局もアウェーから一転ホームゲームで戦える。元スイス銀行為替貴金属トレーダーの筆者は「介入をやるなら今だ」と思ったが、結局、動きはなかった。

 

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