九州を中心に続く記録的な豪雨被害について、大雨は今後も続く見通しで、各地で土砂災害が発生する恐れが高まっている。12日夜には長野県内で斜面が崩壊し、男性1人が死亡。雨が地中に浸み込んでたまり、地盤が弱まっているのが原因で、専門家は「少しの雨で警戒のレベルが一気に高まる地域がまだ広がっている」と、厳重な警戒を呼び掛けている。
気象庁によると、梅雨前線は引き続き九州から本州付近に停滞する見通しで、15日までは大雨が続く。15日午後6時までの2日間の予想雨量は東海250~350ミリ、九州北部、四国200~250ミリ、北陸180~200ミリ、九州南部、中国、近畿、関東甲信150~200ミリとなっている。国土交通省のまとめでは、13日午後2時現在で、今回の豪雨で27県で317件の土砂崩れが発生。11人が死亡、1人が行方不明となっている。12日夜、長野県飯田市座光寺の斜面が崩落した土砂災害では、同市に住む牧内正継さん(73)の死亡が確認された。一方、11日夜には岐阜県瑞浪市の神明神社で、樹齢1200年超の大木が倒壊。いずれのケースも、雨が弱まり始めていた時間帯に発生したとみられている。
13日正午現在、土砂災害の危険度が高い地域は東北、九州の一部に限られているが、同庁天気相談所の立原秀一所長は「今は危険度が低くみえても、これまでの雨の影響で、数時間で数十ミリの雨だけで一気に警戒レベルに達する地域が西日本・東日本に広がっている」と指摘する。
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