火星探査で注目「原子力電池」、日本だからこそ何ができる?(坂田 薫)

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【『コテコテ文系も楽しく学ぼう!化学教室』傑作選】 火星探査で注目「原子力電池」、日本だからこそ何ができる? サキシル

半減期とは「放射性同位体が壊れて半分になるまでにかかる時間」のことです。例えば、今回火星に行った原子力電池には「プルトニウム238」という放射性同位体が使われていますが、最初にある「プルトニウム238」の量を1とすると、壊れて2分の1になるまでに約88年かかります。これが半減期です。となります。また、半減期の長い電池ほど放出される放射線は弱くなります。「プルトニウム238」はその半減期の長さと出力が宇宙探査ミッションに適しているとして、宇宙探査機などの電池に使用されるようになりました。

1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャーもその一つで、太陽圏を脱した今でも、地球に信号を送り続けています。太陽光の届かない深宇宙で、40年以上経った今でも放電し続けることができるのは原子力電池ならではだと思いませんか。その中でも特に注目を集めているのが、放射性同位体に「炭素14」を使ったダイヤモンド電池で、英ブリストル大学などで研究されています。その驚くべき点は「炭素14」の出どころです。この電池が実用化されれば、処理が問題になっている核廃棄物の利用が可能になるのです。しかも、「炭素14」の半減期は5730年...

ちなみに、ダイヤモンドは半導体材料として非常に優れており、「究極の半導体材料」ともいわれています。しかし、半導体として使用できる人工ダイヤモンドは、工業用の研磨剤などに利用されている黄色いものとは異なり、無色透明の美しいものでなくてはならず、その合成が難しいことから、ダイヤモンド半導体の研究は困難を極めていました。最後に、みなさんは「原子力」という技術にどのようなイメージをもっていますか?どんな技術も「人がコントロールできる範囲で、環境に配慮し、人や動物が幸せになるために使う」。これは原子力も例外ではありません。 特に日本は、原爆と原発事故の両方を経験している唯一の国です。慎重になるのも、過去を忘れずにいることも、とても大切なことだと思います。ただ、少しだけ、偏ったイメージになっていないでしょうか。胸が高鳴ったあの火星の映像の向こう側にも、原子力のチカラが使われているのです。そのためには、ネガティブなイメージだけに支配されることなく原子力と向き合っていかなくてはいけません。怖い経験をしたわたしたちにとって、それは難しいことかもしれません。それでも「日本だからこそできた」と言える日がくると、私は信じています。

火星探査車パーサヴィアランスのパラシュートに記されていた暗号は、NASAが発表した約6時間後にはネット上で解読されていました。浮かび上がった言葉は「dare mighty things」。これはルーズベルト大統領の演説の一節であり、NASAのジェット推進研究所のモットーとのことですが、今のわたしたちに必要な言葉なのかもしれません。

 

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そうだよなぁ、ホントにそうだよなぁ。

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