歴史的に見ると投票率は比較的低いが、今年の有権者の投票意欲は高そうだ。結果として、欧州議会で大きな再編が起きるとみられている。
現在多数の議席を持つのは中道右派の「欧州人民党(EPP)」と中道左派の「社会民主進歩同盟(S&D)」で、両会派が議席の過半数を握っていた。だが、今回の選挙では、欧州懐疑派やポピュリズム政党の躍進で議席を減らすとみられている。 欧州改革センター(CER)のシニアリサーチフェロー、カミノ・マルテラマルチネス氏は、議会の分断が拡大し、妥協点を探ることがさらに難しくなるのではないかとの見通しを示す。マルテラマルチネス氏によれば、欧州で難民問題やユーロ危機、テロ攻撃などが起こると常にポピュリズム政党が勢力を拡大するという。 反移民政策の急先鋒として知られるイタリアのサルビーニ副首相は4月、議会選に先立ち欧州の極右政党の団結を目指すキャンペーンを打ち出した。極右政党による新会派は欧州議会で一定の存在感を示すことを目指しており、フランスの「国民連合(RN)」のルペン党首は第3会派となると予測している。
英国のEU離脱も今回の選挙では重要な争点となりそうだ。英国は当初、3月29日にEUを離脱する予定だったが失敗。その後、EU離脱の期限は10月末まで延長された。今回の選挙は残留派にとっても離脱派にとっても不満を表明する機会となりそうだ。
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