一般のドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「日本版 ライドシェア 」が4月8日にスタートしてから、まもなく1カ月となる。タクシー不足が指摘される地域や時間帯にタクシー会社の管理下での運行という日本独自の形で始まったが、実際にどんな形で行われているのか。超党派の国会議員でつくる「 ライドシェア 勉強会」の視察に同行し、現状や今後の課題について聞いた。【中山知子】4月8日にまず東京で始まった「日本版 ライドシェア 」。参入した「日本交通」の葛西営業所(東京都江戸川区)を超党派の勉強会メンバーが4月下旬視察に訪れた。 ライドシェア に対応する自家用車の車体やタイヤの整備、ドライバーの出発前の点呼や研修の様子を確認し、会長の小泉進次郎元環境相(自民)と会長代行の馬淵澄夫元国交相(立民)は、フロントガラス左上に「 ライドシェア 」と青く光った自家用車に体験試乗した。
現在日本でライドシェアが認められているのは、タクシー車両が不足すると国交省がアプリをもとに算出した曜日と時間帯。東京の場合、4種類の曜日と時間帯が定められ、例えば月~木曜日は午前7時~同10時台。この時間帯での不足車両数は上限1780台(スタート時)と算出されている。実際に朝の時間帯の利用が多いといい、ドライバーの30代男性も、午前9時半ごろまでの時間帯は依頼が相次ぐと証言。「いつもは待つが、3分で来てもらえて助かったと言われたこともあった」という。視察後、進次郎氏は取材に「ドライバーさんが前向きに働かれているのを確認でき、安全管理をしっかりした上でスピード感をもって実現していただき、あらためて感謝したい。タクシーを呼んでもなかなか来ないという声が小さくなっていく方向に近づいているのは間違いない」と述べ「安全管理、運行の丁寧さは世界で最も胸を張ってやっているといえる」と述べた。その上で「タクシー会社管理の下だからこそこれだけスピード感をもって始められた。日本では、これしかなかったのではないか。公共交通全体ではバスや鉄道の数が減っている所、タクシーがない所は全国にたくさんある。そういうと
今後については、より「効率的」な運用への期待の声も出た。視察した議員からは、祭りや花火大会など事前に予定が把握できるイベント、クルーズ船来港時などを念頭に、稼働時間を柔軟に変えられるなどの対応を求める声もあがった。天気予報と連動した運用案に言及した進次郎氏は「天気予報は難しいが、気象庁などとうまく連携し精度を上げて、国民のみなさんへの必要な提供を実現できる制度改正をスピード感をもってやっていくための後押しができれば」と話した。
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