が持つ預金や債券などの外貨建て資産が膨らんでいる。2024年3月末時点の総額は1兆2906億ドル（およそ195兆円）と前年同月末から2.7%増えた。年度末時点での増加は3年ぶりで、債券の運用収益が全体を押し上げた。円買い・ドル売りの為替介入の原資を底上げしたともいえる。日本では財務省が毎月末の残高を公表する。5日に発表した3月末時点の残高は前年同月比で335億ドル増えた。海外の中央銀行や国際決済銀行（BIS）などへの預金は1550億ドルで、前年同月から12.9%増加した。債券の利子収入が押し上げた。金相場の上昇で金の残高も602億ドルと11.
ただ、22年9〜10月の円安局面で政府と日銀が9兆円を超える円買い・ドル売り介入に踏み切った際には、米国債を売却して資金とした可能性が高い。この間の外貨準備高は証券の残高が大幅に減った一方で、預金残高がほとんど変わっていなかったからだ。 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「当時、介入の規模は預金残高に制約されるとの見方があったので、証券も売却できることを示したのだろう。今後も証券を売却して介入する可能性はある」と話す。 鈴木財務相はこれまでに「海外の通貨当局とは緊密に意思疎通を図っている」と言明している。米ブルームバーグ通信は23年9月、イエレン米財務長官が日本の為替介入に関して「過度な変動をならす必要性を総じて理解している」と発言したと伝えた。
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