岸田文雄首相は8日夕、官邸で取材に応じ、今月1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病の犠牲者慰霊式後の被害者団体などとの懇談会で、環境省側が団体側の発言中にマイクの音を切るなどした問題について「環境省の対応は、関係団体のみなさまを不快にさせる、不適切な対応だった」と指摘した。首相は、伊藤氏の進退について「今後とも水俣病対策を進めるに当たり、関係者の皆さんに寄り添った丁寧な対応を含めて、職責を全うしてもらいたい」と述べ、続投させる考えを示した。
環境省側は前日7日の記者説明の場で、伊藤氏は水俣病を担当する特殊疾病対策室長に、水俣市に出向いて団体側に直接謝罪するよう指示を出した、と説明していた。しかし8日になって一転、伊藤氏は自身が現地に出向いて謝罪することを発表。この日夕に水俣市内で、水俣病の被害者団体や、当日、発言中にマイクを切られた関係者に面会し、直接謝罪した上で、懇談に応じた。 伊藤氏が8日、急きょ水俣市に入ることになった背景について、林芳正官房長官は同日午後の会見で、伊藤氏の責任を含めて問われた際「直接の謝罪は私や総理の指示ではない。環境大臣の強い思いで、責任者として自ら謝罪に伺うことにしたということだ」と述べ、岸田首相や自身の指示ではないと強調した。
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