小澤征爾さん死去 88歳、心不全で 世界のオザワ 日本が誇るマエストロ 10年食道がん全摘手術受け

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情熱的な指揮で世界中を魅了した小澤さんが旅立った。関係者は「呼吸が乱れることもなく、静かに息を引き取られたと聞いています」と明かした。 晩年は病魔との闘い… - スポーツニッポン新聞社の公式サイト(www.sponichi.co.jp)。

世界のクラシック音楽界に大きな足跡を残し「世界のオザワ」と呼ばれた小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全のため東京都の自宅で死去した。88歳。旧満州(現中国東北部)出身。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、お別れの会を開くことを検討している。国境や世代を超えて愛されたマエストロだった。晩年は病魔との闘いだった。05年に白内障の手術、06年に帯状疱疹(ほうしん)と慢性上顎洞炎(じょうがくどうえん)などを発症してから病気と闘いながらの演奏活動が続いた。10年には食道がんが見つかり、全摘出手術を受け、11年からは常に腰痛に悩まされてきた。19年に歌劇「カルメン」の京都公演で「序曲」を指揮した後に体調を崩して入院。その後、治療に専念していた。昨年9月には総監督を務める「セイジ・オザワ松本フェスティバル」に車椅子で現れ、聴衆のスタンディングオベーションに応えていた。クリスチャンだった母親の影響で幼い頃から西洋音楽に親しんだ。ラグビーで指を痛めたためピアノから指揮に転向。戦後、桐朋学園で西洋音楽教育の第一人者だった斎藤秀雄に指揮法を学んだ。

59年、フランス・ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。カラヤン、バーンスタインら巨匠に師事し、実力をつけた。大きな転機は62年。NHK交響楽団の指揮者に招かれたが、20代半ばの小澤さんに反発したN響からボイコットを受けた。日本では音楽活動しないと決意し、軸足を海外へ移した。 オペラの殿堂といわれるウィーン国立歌劇場の音楽監督、米国の名門楽団であるボストン交響楽団の音楽監督など、いずれも東洋人として初めてとなる重要ポストを歴任。02年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートを日本人として初めて指揮した。 国内では新日本フィルハーモニー交響楽団の「桂冠名誉指揮者」、「セイジ・オザワ松本フェスティバル」総監督、水戸芸術館館長などを務めた。若手音楽家の指導にも熱心に取り組んだ。98年長野冬季五輪の開会式では音楽アドバイザーとして大会に関わった。16年には米グラミー賞クラシック部門の最優秀オペラ・レコーディング賞を受賞した。気さくで明るい性格で親しまれ、作家の村上春樹氏(75)やファッションデザイナーの故森英恵さんら交友関係は幅広かった。小澤 征爾(おざわ・せいじ)1935年(昭10)9月1日生まれ、旧満州国奉天市(現中国瀋陽市)出身。桐朋学園短大卒業後に渡仏し、仏ブザンソン国際指揮者コンクールで日本人初優勝を果たす。73年から29年間はボストン交響楽団、02年から8年間はオペラの世界最高峰のウィーン国立歌劇場で音楽監督を務めた。

 

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