博士が執筆した論文がきっかけで、日本で海苔の安定的な生産が可能になり、今日のすし文化を大きく支えることになりました。Ars Technica UKが知られざる海苔生産技術の確立に貢献した「海の母」についてまとめています。ベーカー博士はイギリスのマンチェスター大学で藻類について研究する植物学者で、大学では講師として教壇に立っていました。しかし、当時のイギリスの大学では、女性研究者は結婚すると未払いになるという慣例があり、植物学者のヘンリー・ライト=ベーカー博士と結婚をしたことで、研究者としての給与をカットされ無給の講師として働いていたそうです。
大学から給料をもらえないベーカー博士でしたが、ウェールズの海岸でとれるPorphyra umbilicalisという藻類について研究は続けていました。Porphyra umbilicalisは世界的には無名の存在ですが、ウェールズ地方では伝統的にパンやスープに入れて食べる海苔の原材料として知られている藻類だとのこと。当時、誰からも注目されていなかったPorphyra umbilicalisのライフサイクルを研究するために、ベーカー博士は夫とともに海辺に私費の研究室を作ったそうです。 ベーカー博士は、当時、Porphyra umbilicalisとは別の種類の藻類として知られていたConchocelisというピンク色の細い糸のような植物に注目しました。Conchocelisが大量に繁殖して夏に海面がピンクに色づく年には、冬に海苔の原材料であるPorphyra umbilicalisが大量に獲れることに気づいたベーカー博士は、二つの植物の生育の関連性を調べることにしたというわけです。
ベーカー博士の調査の結果、死んだ牡蠣などの貝殻に付着してピンク色になるConchocelisは、なんとPorphyra umbilicalisが送り込んだ胞子が育ったものと判明。つまり、それまで異なる藻類と考えられていたPorphyra umbilicalisとConchocelisは同一の植物だったというわけです。ベーカー博士は1949年にこの発見を論文「
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