出身の選手のド軍在籍時の最多本塁打記録を更新した。相手先発は昨季12勝の24歳右腕・エルダー。初対戦の大谷は初回1死の第1打席こそ83・4マイル(約134キロスライダー)で空振り三振に倒れたが、3回先頭の第2打席だった。90・2マイル(約145キロ)直球を右中間席まで運んだ。打球速度103・4マイル(約166・5キロ)、飛距離392フィート(約119・5メートル)、打球角度は34度。ベンチに戻ると、満面の笑みでバンザイするロバーツ監督と両手でハイタッチした大谷。同僚からの祝福を受け終えると、再び指揮官と喜びを分かち合った。
2点リードの4回1死一、二塁の第3打席では左前適時打。6回1死の第4打席は2番手左腕・リーの前に左飛だったが、これも大きな当たりだった。8点リードの7回2死一塁の第5打席は4番手右腕・スティーブンスの初球を中前打とし、今季5度目の3安打猛打賞。最後まで勢いが止まることはなかった。 この日の試合前の取材では、“球団記録保持者”だったロバーツ監督が「昨日、ギフトをもらったんだ」と大谷からサプライズがあったことを明かした。大谷が6号ソロを放ち、記録に王手をかけた先週のワシントンDCでは「(大谷が)記録を抜いたらポルシェをもらうのはどう?」と記者から問われた指揮官は「それはいい考えだね(笑い)」としていたが、その会話を大谷が聞きつけたのか、サプライズで実現した形だ。しかし、そこは大谷だった。「翔平は小さなポルシェを持ってきてくれたよ」とロバーツ監督。並んだ記念に本物ではなく、ミニカーを贈呈したのだった。
とはいえ、ドジャース移籍となった昨年12月には背番号「17」を譲ってくれたケリー夫妻にアンバサダー契約を結ぶポルシェをプレゼントしたことが大きな話題となった大谷。新記録達成となれば、本物の高級車がもらえる可能性もあるだろう。ロバーツ監督は「そんなことは誰にも分からない(笑い)」としたが、ホームランの大谷を出迎える際には本人以上の満面の笑みだった。 大谷はこれでリーグトップのオズナ(ブレーブス)の9本まで1本差。エンゼルス時代の昨季は44発で日本人初の本塁打王に輝いたが、昨年9月の右肘手術の影響で打者専念となる今季も開幕から好調で、2年連続の本塁打王も視界に入ってきた。
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