台湾出身だが、いとこの陽岱鋼外野手(現オイシックス)に憧れ、高校から日本へ留学。そのため、母国に戻るのは15年ぶりとなる。「ほぼ人生の半分を日本で過ごしてきたので不思議な感覚ですね」。西武から戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトを受検したがNPBからのオファーはなかった。「30歳にもなって、どこまで野球をやれるかはわからない。台湾で一度プレーしてみたいと思いました」。 オリックス在籍時の2018年に日本人女性と結婚。3人の子宝にも恵まれた。新興球団である台鋼ホークスから練習生契約の打診があったが、CPBLでプレーするには7月のドラフト会議で指名される必要がある。それまでは、給与もなく、試合も2軍戦にしか出場できない。
家族を養っていかないといけない立場で、台湾へ戻ることに迷いはあったが、妻が後押ししてくれた。「野球をやらせてくれることに感謝しています」。NPB時代の貯金をすべて妻に預けて単身で帰国した。現在は2019年の第2回WBSCプレミア12でチャイニーズ・タイペイ代表で出場し、先発投手部門でベストナインに選ばれた賞金を切り崩している。衣食住はチームのサポートを受けて生活している。「収入ないのはきついですけど、食べることも寝ることもできている。初心に帰って野球をすることができていると思います」と前を向いている。 妻と子どもとは離れ離れとなり、「寂しいですね」と正直な気持ちを吐露する。それだけでなく、15年過ごした第2の故郷への思いも。「日本にいたときは鮭に味噌汁、野菜、果物みたいな食事だったので。こっちきてアメリカっぽくなりましたよ」と笑う。...
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