これは、苦労人の実業家にして、現在では資産家として悠々自適の生活を送るG氏が語る格言である。実際にチビ・デブ・ハゲなのかどうかが問題なのではなく、コンプレックスは人間にとって大きな原動力になることのたとえである。コンプレックスを持った人間は、見返してやりたいと努力するだけでなく、ふつうの人であれば見過ごしてしまうことにも、気がつくことがよくあるのだという。必死に努力し、かつふつうの人には見えないものが見える人は、成功する確率が高くなる。逆に言うと、敵にすると怖い。だからG氏は、強いコンプレックスを持った人間には逆らわないようにするのだという。
またG氏は、多かれ少なかれ、人間は誰でもコンプレックスを持っていると考えている。そこで、人に会うと必ず、その人は何にコンプレックスを感じる人種なのかを、何気ない会話を通じて探るのだという。何も見つけられなかったら、その人は何かを隠していると考えて、警戒して付き合うそうだ。「いやぁ、いままで自分が感じていたコンプレックスは何だったのだろうという感じです」と笑うのは、都内に住むある起業家だ。彼は中堅大学を卒業して、営業の仕事に就いた後、その会社を辞めて独立した。抜群の営業力を生かして事業を拡大、立て続けに3つの新しい事業を起こし、本人はセミリタイアしている。
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