また、今後、秋から冬にかけて平常の状態が続く可能性もありますが、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっているとしています。①2020年夏から2021年春にかけてラニーニャ現象が発生しました。記憶にも新しい2020年~2021年の冬は、前半に強い寒気が流れ込んだ影響で、群馬県藤原や新潟県湯沢では24時間降雪量が1mを超えるなど、記録的な大雪となった所がありました。この大雪のため、関越自動車道では多数の車両が立ち往生するなど、大規模な交通障害が発生しました。また、西日本日本海側で降雪量がかなり多くなりました。一方、冬の後半は寒気の南下が弱く、気温が高めで、冬を通してみると東・西日本と沖縄・奄美で暖冬でした。
②2017年秋~2018年春にかけてもラニーニャ現象が発生しました。この冬は、日本付近に強い寒気の流れ込むことが多かったため、全国的に気温が低く、特に西日本では32年ぶりの寒い冬となりました。冬型の気圧配置がしばしば強まり、発達し た雪雲が日本海から盛んに流れ込んだため、北~西日本日本海側では記録的な大雪となった所がありました。また、1月下旬は、南岸低気圧の影響で東京都心で4年ぶりに積雪が20cmを超えるなど、関東甲信地方や東北太平洋側でも大雪となりました。 ③2010年夏~2011年春にかけてもラニーニャ現象が発生しました。この冬は12月終わりから1月末にかけて強い寒気が断続的に日本付近へ流れ込んだため、ほぼ全国で気温が低く、日本海側では広い範囲で大雪になりました。ただ、12月前半と2月後半は日本付近へ強い寒気が流れ込むことがほとんどなく、全国的に暖かく、気温の低い時期と気温の高い時期との対照が全国的に明瞭でした。気象庁による過去の統計によりますと、ラニーニャ現象発生時、日本での冬の天候は、日照時間は北日本太平洋側で多い傾向ですが、平均気温や降水量には特徴がみられないとされています。今年の冬は?
今のところ、今年の冬は冬型の気圧配置がやや強く、西日本を中心に寒気の影響を受けやすいでしょう。気温は、北・東日本では、ほぼ平年並み、西日本と沖縄・奄美では平年並みか低くなりそうです。冬らしく、厳しい寒さとなるでしょう。冬の降雪量は、北・東日本日本海側では、ほぼ平年並み、西日本日本海側で平年並みか多い予想で、大雪にも注意が必要になりそうです。
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