栃木県那須町の河川敷で焼損した夫婦の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は7日までに死体損壊の疑いで、夫婦の長女と内縁関係にある会社役員関根誠端（せいは）容疑者（32）＝東京都世田谷区等々力＝と、夫婦の知人で不動産会社役員前田亮容疑者（36）＝千葉県船橋市前原西＝を逮捕した。逮捕者は6人になった。関根容疑者は夫婦の飲食店経営会社のマネジャー。捜査本部は同容疑者が首謀者とみて調べている。
死亡したのは会社役員宝島龍太郎さん（55）と妻幸子さん（56）。これまでの防犯カメラ映像の分析で、事件前日の4月15日午後9時半ごろ、東京・上野で夫婦と前田容疑者が歩く姿を確認。新規出店に向けた物件内覧のため同容疑者が借りたレンタカーで品川区に移動する途中で関根容疑者が合流、同11時半ごろに同区内で4人が写っていた。両容疑者は知人だった。 その後、前田容疑者の案内で、夫婦が暴行を受けた疑いがある品川区内の空き家に4人で向かったとみられる。空き家は前田容疑者の不動産会社が管理。同じ時間帯に実行役の2人が付近に滞在していたことが確認されており、ここから夫婦を乗せて那須町に向かったとみられる。空き家の車庫からは血痕が見つかっており、捜査本部は夫婦が死亡した経緯も調べている。両容疑者の認否について明らかにしていないが、捜査関係者によると、関根容疑者は容疑を否認している。
夫婦はJR上野駅や御徒町駅周辺で居酒屋や焼き肉店など14店舗を経営。御徒町駅周辺で約10店舗が集中するエリアは取引業者らの間で“宝島ロード”と呼ばれていた。関根容疑者はマネジャーとして、客引きなどを巡る周辺店舗とのトラブル処理に当たるなどしていたほか、数店舗の運営も任されていた。将来的な経営権の継承を視野に入れていたとされる一方、経営方針を巡り夫婦と対立する場面もあったという。捜査本部は夫婦との間で起きた何らかのトラブルに端を発し、“宝島ロード”乗っ取りを画策した可能性も含めて動機の解明を急ぐ。 捜査本部はこれまでに死体損壊容疑で、指示役の佐々木光（28）と仲介役の平山綾拳（25）、実行役の姜光紀（20）、若山耀人（20）の4容疑者を逮捕。いずれも夫婦と面識はなく、関根容疑者が佐々木容疑者に事件を指示したとみている。佐々木容疑者は今年に入ってから“宝島ロード”周辺で客引きをしており、関根容疑者と面識があった可能性がある。遺体発見当日の4月16日に両容疑者が都内で会っている様子が防犯カメラに写っていた。2人の逮捕容疑は4容疑者と共謀し、4月16日未明から早朝にかけ夫婦の遺体に火を付けて焼損した疑い。捜査本部は関根容疑者が乗っていた白色のベンツを押収した。
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