試合終了の笛が鳴ると、仙台８９ＥＲＳの選手たちは笑顔でハイタッチを繰り返した。６季ぶりの大舞台。大事な今季の初戦で京都に９２―６５。チームとして初めてＢ１開幕戦で勝った藤田弘輝ヘッドコーチ（３６）は「ナイナーズらしいバスケットをしてくれた。非常にうれしい」と満面に笑みを浮かべた。
いつも通りだった。開始直後から、全員が献身的な守備を見せた。開始から約４分間は無失点に抑え、一時は１４点の大量リードを奪った。ただ京都は昨季Ｂ１西地区で９位に終わったとはいえ、オフには大型補強を敢行。第２クオーター（Ｑ）は相手に流れを渡した。前半終了時点でリードは５点に縮まった。 Ｂ１最大２７点差 だが、藤田ＨＣはハーフタイムで「もう一回、守備から流れをつかもう」と選手に猛ゲキ。すると第３Ｑは、試合開始直後のような運動量で相手を圧倒した。粘り強い守備から効果的に得点を奪って、終わってみればチームとしてはＢ１で最大となる２７点差をつけた。 一丸となっての勝利だ。ともに新加入のネイサン・ブース（２８）が両チーム最多の１８得点、ラショーン・トーマス（２８）が１２得点。昨季までは京都でプレーしていた加藤寿一（２８）は勝負どころで３点シュートを決めるなど、１０得点。２年目の岡田泰希（２３）も両チームを通じて日本人では最多となる１５得点を奪った。攻守とも、田中が離脱した影響を全員でカバーした。
藤田ＨＣは「チームが一つになってファイトし続けて（格上を）食ってやるぞという気持ちでやりたい。毎週末、連勝するつもりで戦います」と、気合をみなぎらせた。１６―１７年シーズンは、わずか１４勝（４６敗）で降格に終わったＢ１の舞台。手応えを感じる大きな１勝にも満足することはなく、上を目指していく。（高橋 宏磁）
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