人手不足が鮮明 景況感改善の重しに―賃金・物価「好循環」に課題・日銀短観

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日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、人手不足の深刻化が改めて浮き彫りになった。雇用人員判断指数(DI)は全規模全産業でマイナス36と1991年11月以来の不足超過で、企業の景況感改善に重しとなる。大企業を中心に高水準の賃上げが相次ぐ一方、中小では人件費まで含めた価格転嫁は道半ばで、日銀が目指す賃金と物価がともに上昇する「好循環」の定着に課題が残る。

大企業の業況判断DIは非製造業で8期連続の改善となった。成田空港の2月の国際線旅客数はコロナ禍前の2019年比で9割まで回復。「中国(からの訪日客)は戻りきっていないが他の国でカバーしており、好調が続きそうだ」(大手百貨店)と強気な声が上がる。

運輸・郵便や対個人サービスが改善し、宿泊・飲食サービスもプラス52と高水準を維持。物価高で消費者の節約志向は根強いが、「人出回復や賃上げで消費マインドは高まっている」(大手食品メーカー)と先行きへの期待感も広がる。による部品供給遅延でホンダも減産を余儀なくされ、中小を含めて関連業種に影響が広がった。ただ、「4月には自動車の回復が本格化し、24年度にかけ需要回復の明るい材料になる」(石油化学工業協会の岩田圭一会長)との見方が多く、停滞は一時的とみられている。中小企業では苦境が続く。製造業は3ポイント悪化しマイナス圏に沈み、非製造業でも1ポイント悪化した。高齢化による働き手減少に加え、運送業や建設業では4月から時間外労働の上限規制も適用。需要の取り逃がしを防ぐため人材確保は急務だ。

価格転嫁の進展度合いでは、販売価格判断DIの先行きが大企業でほぼ横ばいと一巡しつつあるのに対し、中小は製造業が7ポイント、非製造業が6ポイントそれぞれ上昇した。日銀は、賃金上昇圧力を受け、中小企業も価格転嫁を進める必要性を認識し始めたとみる。 ただ、中小の現場では「人材を採りたくても大手が時給をかなりつり上げており、とてもその金額は出せない」(金属加工)、「大企業が従業員の賃上げと同じレベルで下請けへの支払いも上げてくれれば」(運送業)との声が漏れ、人手確保のハードルは高い。 24年度の想定為替レートは1ドル=141円42銭(全規模全産業)。最近は152円台に迫り、原材料やエネルギー価格の高騰が中小企業の収益を一段と圧迫しかねない。雇用の7割を占める中小全体に賃上げの波が広がらなければ先行きの消費の足かせになる。賃金と物価の「好循環」が長続きしなければ、日銀が模索する追加利上げは遠のく。

 

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