に終止符を打った。植田和男総裁が「大きなポイント」と位置付けていた2024年春闘での大幅な賃上げが決め手だった。さらに、日銀の今回の判断は、派閥裏金問題で支持率の低迷が続く岸田政権にとっても、物価と賃金の「好循環」をアピールするのにこれ以上ない材料。異例の緩和策に幕を引きたい日銀と、物価高で強まる国民の不満を和らげたい政府の思惑が一致し、歴史的な政策転換につながった。「できるだけ早くに2%(の物価目標)達成を目指す。ただ、そう簡単な目標ではない」。植田氏は23年4月の総裁就任会見で、黒田東彦前総裁が10年を費やしても届かなかった2%物価目標の実現という難問に挑む決意を示した。
それから1年もたたないタイミングで、植田氏は脱デフレに道筋を付けてみせた。19日の記者会見では「黒田バズーカ」と呼ばれた異次元緩和について、「役割は果たした」と強調。政策変更によって「普通の金融政策に戻る」と、成果を誇った。 岸田文雄首相は同日夕に植田氏と会談した後、マイナス金利解除をはじめとする大規模緩和の正常化について「適切だ」と持ち上げた。その上で、「政府と日銀は引き続き緊密に連携していく」と蜜月ぶりをアピール。安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」でも成し遂げられなかった大幅な賃上げを実現し、政権浮揚に期待をにじませた。日銀は昨年秋ごろ、春闘の賃上げ動向を見極めるまで大規模緩和を維持する方針を固めた。こうした日銀のシナリオは、物価高を上回る賃上げを目指す政府とも共有された。昨年12月に首相と植田氏が会談した際にも意思疎通が図られた。ただ、日銀が債券市場への関与をやめれば、長期金利が急騰(債券価格は急落)しかねない。日銀内で「遠くまで見通せば長期金利の動きは市場に完全に委ねるべきだが、今すぐに放り出すわけにはいかない」と、一定規模の国債買い入れを約束する構想を練り上げた。
マイナス金利解除は3月か4月か―。「総裁はぎりぎりまでデータを見て判断する」(日銀関係者)とみられていた。4月に入れば、全国企業短期経済観測調査(短観)や春の支店長会議などを通じ、中小企業の賃上げ動向も把握できる。「解除は4月会合が有力だ」(日銀OB)との見方が金融市場で広がっていた。日銀が3月解除に大きく傾いたのは、連合が15日公表した春闘回答の第1回集計結果で、賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準を記録したことだった。政策修正に比較的慎重だった政策委員も、賛成に回り始めた。 政府関係者の1人も会合直前、3月の政策変更について「異論はない。日銀の判断に反対はしない」と漏らした。日銀の決定に政府が待ったをかける「議決延期請求」の権利を行使する考えがないことを意味していた。中央銀行による利上げは景気を冷やしかねず、政府は嫌うのが通例だが、今回は政府が日銀に対して圧力をかけることは最後までなかった。
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