【ワシントン時事】国際通貨基金（ＩＭＦ）は１２日公表した財政監視報告で、コロナ禍からの景気回復などを受けて各国の債務は縮小したものの、２０２８年にかけて再び増加基調をたどるとの見通しを示した。その上で、将来的な危機に備えるためにも、財政出動の余地をつくるよう各国に求めた。
報告によると、世界の債務残高は２２年、国内総生産（ＧＤＰ）比で９２．１％と、コロナ危機への対応で各国の債務が急膨張した２０年から、２年連続で圧縮された。ただ、その後は金利上昇による利払い増加や成長の鈍化などで、債務は徐々に増大し、２８年には９９．６％と、２０年と同程度にまで膨れ上がると見込んでいる。ＩＭＦはまた、「多くの国では小幅な財政見直しでは債務の増加を防ぐのに十分でないことが示唆されている」と警告。債務リスクの高い国には「より野心的な財政健全化策」を勧告した。さらに、高インフレ抑制の観点からも、中央銀行の金融引き締めを支援する、緊縮的な財政政策が必要との見解を明らかにした。
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