新型コロナウイルスの感染拡大でアジア最大級の都市、上海が封鎖されて1カ月が経つ。当初は市を東西に分け、それぞれ4日ずつで解除される予定だったが、感染者が下げ止まらないばかりか死者も増え続け、ロックダウンは5月まで続く可能性が濃厚だ。最近では焦りを強めた市の末端幹部が、「小区」(日本の団地や町内会のような単位)ごと他省に隔離するという荒業に走る例も出ている。
「重度汚染エリア」に指定され、副首相が視察に訪れた上海西南部の巨大団地でも、住民約5000人が21日夜に安徽省の隔離施設に連行されそうになり、住民が結束して抵抗し撤回させた。住民の1人で、日本人の梨浜栞さん(30代、仮名)に1カ月の封鎖生活を聞いた。棟によってはキッチンやトイレが共同で、老朽化しているが、交通の利便性が高い割に家賃が安いため、上海人に人気がある。外国人の住人はほとんどいない。梨浜さんは3LDKの部屋を中国人のルームメイト2人とシェアしている。3月初旬、上海では陽性者の隔離施設から感染が広がり始めた。梨浜さんの団地はこの隔離施設と同じエリアにあったため、3月14日に48時間の予定で封鎖された。ところが48時間を過ぎても封鎖は続き、19日にやっと解除された。
その後、上海市が東西に分けて3月28日から都市封鎖を断行すると発表。西側に位置する団地は4月1~4日に封鎖されることになった。西南部に住む梨浜さんは27日に食料を買いだめしようと家を出たが、「近隣で感染者が出て、団地の出入り口が急遽塞がれてしまった。結局そのまま4月1日のロックダウンに突入してしまった」という。
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