日本 ボクシング 界との浅くない因縁を持っていた悪童も蹴散らした。1ラウンドにダウンを奪われた井上だったが、そこから冷静に対応。2、5回にそれぞれダウンを奪い返すと、最後は6回にネリが腰から崩れ落ちる右ストレートで趨勢を定めた。いまだ無敗(27戦0敗、24KO)。文字通り敵なしの強さを誇るがゆえに、各国のファンや識者たちは、「誰なら井上を倒せるか」という想像を膨らませる。そうしたなかでにわかに対戦論争が盛り上がっているのが、元3階級制覇王者のワシル・ロマ チェン コ(ウクライナ)だ。
現在36歳のロマチェンコだが、その強さは衰え知らずだ。現地時間5月11日に豪パースで行われたIBF世界ライト級王座決定戦では、元ライト級3団体統一王者ジョージ・カンボソスJr.(豪州)を11回TKOで撃破。最後は左ボディーで相手を悶絶させ、敵陣営がたまらずタオルを投げ入れる形での決着となった。それでもビッグネーム同士の対決を望む声は尽きない。英ジャーナリストのガレス・A・デイビス氏は、母国のスポーツ専門局『talk SPORT』のポッドキャスト番組内で「私の中で今、イノウエは世界ナンバーワンだ。疑念の余地はなく、彼の振る舞い、堂々とした姿、フットワーク、パンチ、決断力、パワーのすべてがモンスター」と井上を絶賛。一方で、「世界的な知名度がまだ足りない」とし、“ボクシングの本場”である米国内でも人気を博すロマチェンコとのメガマッチを興奮気味に語った。
「もしかしたら、イノウエはフェザー級で戦い、そこで素晴らしい対戦相手を見つけるかもしれない。例えば、ロマチェンコと戦えるかもしれないよ。その戦いを想像してみようじゃないか。ロマチェンコvs井上。どうだ!」ただ、先述したように井上とロマチェンコとの階級差は3。体重にして約5キロも差がある。興ざめと言われるかもしれないが、仮にフェザー級で戦ったとしても、激しい減量を求められる後者のコンディションが万全となるかは不透明。それこそが階級制のあるスポーツの難しさではある。(フィリピン)、エロール・スペンスJr.
「私はイノウエがすぐにフェザー級、もしくはスーパーフェザー級に階級を上げるとは見ていない。スーパーフェザー級でガーボンタ“タンク”デービス(WBA世界ライト級王者)と戦えばいいという話も出ているが、そういう論争はうんざりだ。やめて欲しい。その階級まで13ポンド(約5.9キロ)も離れている。イノウエはネリよりも小さく見えた」「ここまでにイノウエが成し遂げたことが凄すぎるから、こういう話題が出ているのだろうね。でも、私はロマチェンコもイノウエとの試合に興味を抱いているなんてまったく思えない。試合を実現させるための問題はあまりに多いよ」
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