SWIFT排除、紆余曲折した理由
今回SWIFTからロシアの銀行を排除することを決定するにあたっては、ドイツ、イタリア、オーストリア、ハンガリーなどの欧州諸国が強い難色を示したために、アメリカは24日発表の制裁措置ではSWIFTのことを盛り込めず、その後関係国と調整してエネルギー関連の決済は制裁対象から外すことでやっと26日にSWIFTからのロシアの銀行の排除を盛り込むに至ったと伝えられている。欧州諸国が抵抗するのは当然で、例えばドイツは輸入する原油の31.5%(EIAデータ、2019年)をロシアに依存しているし、天然ガスもロシアがオランダ、ノルウェーとともにドイツにとって最大の輸入元だ。もしロシアがSWIFT排除のせいで代金を受け取れずにこれらの供給を止めると、ドイツの企業も家計も極めて厳しい状況に陥る。
今回の措置ではエネルギー関連の決済は対象から外すことでアメリカはドイツの同意を取り付けたようだが、実際にうまく効率的に他の資金決済と分別できるかやってみないとわからないし、ロシアの多くの銀行がドルやユーロの取引から締め出されている中で、ロシア側の代金受取口座をどこに置くかなど、問題点は多い。 また、イタリアの銀行はフランスと並んで約250億ドル(約3兆円、BISデータ、2021年第3四半期末)もの対ロ債権を持っており、オーストリアの銀行も約170億ドル(約2兆円、同左)の大口債権者だが、ロシアからの元利払いが止まると債権が焦げ付く恐れがあるので、巨額の引当金を積む必要が生じ、銀行の屋台骨が揺らぐ。欧州諸国だけでなく、制裁の影響ですでに世界のLNGや原油価格は急騰しており、これは世界中の電気・ガス代、自動車のガソリン、トラックの軽油、船舶の重油、航空機のケロシンの価格に跳ね返って、企業や家計の資金繰りを圧迫し、上昇中の物価をさらに上昇させる。また、半導体チップに回路を刻むレーザー装置に使われるネオンは、ロシアとウクライナが世界的な産地なのでこれが輸出されなくなると、半導体不足が今後も継続し、価格も高騰するだろう。
もっと身近なところで言えば、ロシアは小麦の世界最大の輸出国だが、小麦の輸出が止まると世界の小麦粉、パン、パスタ、ケーキの価格が上昇する。すでに小麦の商品相場は急騰している。また、ロシア産のタラバガニやサケが入らなくなり、スーパーの棚から消えるだろう。
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