1年前の3月15日、ニュージーランド南島のクライストチャーチにあるモスク(イスラム礼拝所)2カ所に男が乱入し、51人を射殺、49人を負傷させた。最年少の犠牲者は3歳、最年長は77歳。あまりにむごいテロだった。
警察は現場で5丁の銃を押収した。半自動小銃2丁、ライフル2丁、レバーアクションの銃1丁だ。容疑者のオーストラリア人ブレントン・タラントは2017年11月にニュージーランドの銃免許を取得しており、合法的に武器を買い集めていた。 ニュージーランド政府の対応は素早かった。「アメリカでは20年もかかったことを、彼らはたった数日でやり遂げた」と言うのは、米フロリダ州パークランドの高校で2018年に起きた銃乱射事件をきっかけに若者たちが立ち上げた銃規制運動マーチ・フォー・アワ・ライブズ(私たちの命のための大行進)の活動家ブリアナ・スペインアワーだ。 1週間とたたぬうちに、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は軍隊仕様の半自動小銃やアサルトライフルの販売を禁ずると発表。4月10日には議会で、1人を除く全議員が銃規制法改正案の第1弾に賛成し、半自動小銃とその弾倉などの所持や売買が禁じられた。銃規制派のロビー団体ガンコントロールNZのフィリッパ・ヤスベクは「これで地域社会から銃が一掃されるとは思わないが、今よりずっと安全になる」と語り、銃に対する国民の考え方が変わったと付け加えた。「銃の所有は私権の問題じゃない。銃はその持ち主だけでなく、全ての人に影響を及ぼすものだ」しかし、攻勢の後には必ず反動があるもの。事件直後には盤石だったアーダーンへの支持も、今はかなり怪しくなった。国内の銃ロビー団体と野党・国民党が手を組んで、銃の登録制導入に抵抗しているからだ。
クライストチャーチの乱射事件後、ニュージーランド政府の取った迅速な対応はオーストラリアの先例に倣ったものだ。1996年にタスマニアで起きたポートアーサー虐殺事件(35人が死亡)を受けて、オーストラリア政府は厳格な銃規制を導入し、65万丁の銃器を返納させた。結果、死者を伴う銃乱射事件は激減した。1979年から96年までには13件あったが、その後はわずか2件にとどまる。
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