報道関係者向けの試乗会が開かれたのは箱根である。そのことからも、ホンダが新型アコードにかける強い思いが伝わってきた。かつてそうした試乗会といえば箱根というのが定番だったが、最近は横浜などの都市部で開催されることが多くなっている。費用やタイムパフォーマンスなどさまざまな理由があるのだろうが、新型車の走りを確かめるにはあまり適していないロケーションなのは否定できない。ホンダがお披露目の場所に箱根を選んだのは、アコードの出来に自信があってその魅力を余すことなく伝えたいからだと推察される。
しかも、試乗時間は2時間半。異例ともいえる長時間の設定だ。通常は1時間程度で、撮影しているうちに乗る時間がどんどん減ってしまうのだが、これならば走りや新機能を試すことができる。推奨された約90kmの試乗コースがまた絶妙だった。まず上りのワインディングロードを走り、次にダラダラと続く長い坂を下っていく。そして、一般道から高速道路に入って試乗会場に戻ってくるという構成だ。 ワインディングロードで試したのは、アコードのスポーティーな走行性能である。日本で販売されるモデルはモノグレードで、パワーユニットはハイブリッドシステム「e:HEV」のみ。2リッター直4直噴エンジン(最高出力147PS、最大トルク182N・m)と新開発の高出力モーター(同184PS、同335N・m)を組み合わせている。走行用と発電用の2つのモーターは同軸配置から2軸配置に変更され、レイアウトの自由度を高めるとともに出力を向上させた。
バッテリーとモーターを制御するパワーコントロールユニット(PCU)とインテリジェントパワーユニット(IPU)は軽量化され、高出力化と燃費向上を果たしている。エンジンは高燃圧多段直噴システムの採用によって燃焼効率を改善した。エンジンとモーターの協調制御でレスポンスのよさと低燃費、優れた静粛性を実現したという。 2024年3月8日に発売された新型「ホンダ・アコード」。1976年に登場した初代から数えて11代目にあたり、「Driven by My ACCORD ~相棒アコードとより高みへ~」をグランドコンセプトに開発された。
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