井上の快進撃を間近で見てきた重鎮も“決戦”の重要性を強調する。米興行大手『Top Rank』のボブ・アラム会長は、米 格闘技 専門YouTubeチャンネル『3 Knockdown Rule」において「これはマイク・タイソンとバスター・ダグラスが東京ドームで戦って以来、初めての試合だ。とても名誉があることなのだ。アリーナの座席数は5万人を超えるし、イノウエがいれば、満席になる」と断言している。
もっとも、この試合に向けては、アラム氏が絶賛する井上の価値が米国内で論争の対象ともなった。元世界ウェルター級王者2団体王者のショーン・ポーター(米国)氏が、「ボクシング界で、世界最高のスターになりたいならこっち(米国)での試合が必要だ」と指摘。5戦連続で日本国内での興行を続ける“モンスター”に苦言を呈し、その発言がSNSで話題沸騰となったのである。 いわば、「ボクシング本場で、アメリカ人の猛者を破ってこそ一人前」なわけだが、井上に対する批判的な意見を「時代遅れ」と断じるアラム氏は、「イノウエが日本を飛び出し、アメリカやサウジアラビアで試合をするのかどうかは本当に私の共同プロモーター次第だ」と指摘。日本開催を続ける陣営への理解を示すとともに、“ネリ戦後”を見通してもいる。
「まず何よりもイノウエが日本で試合ができるのは経済的な効果が大きいからだ。そのうえで日本以外の国、特にサウジアラビアからの関心について話すのであれば、それ(可能性)は大きなものになる。だが、正直なところ、明確には答えられない」 一連のアラム会長の指摘は米メディアでも話題となっており、ボクシング専門サイト『Boxing News24』は「スーパーバンタム級にとどまるならば、選択肢はそれほど多くはない」と指摘。ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の名を挙げ、「両雄との対決は日本のファンにとっては魅力的なカードになる」と断言した。
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