本物と見分けがつかない動画まで作り出す「生成AI(人工知能)」の登場などIT技術の急速な進展でエンジニア不足が深刻化するなか、金銭的に困窮しやすいシンママ(シングルマザー)がITを学びキャリアアップを目指す機運が高まっている。IT職種は自宅での学習や勤務が可能なため子育て中でも取り組みやすいとあって、都内のあるITスクールではこの2年間で700人以上のシンママが入校した。国や自治体のひとり親向け資格取得給付金も拡充され、学費を上回る生活費まで受給できるケースもある。支援をフル活用した母親のケースを取材した。5年前に離婚した都内在住の栄沙紀さん(43)。当時、印刷会社の正社員だったが月給が手取り20万円を切っていた。小学4年と保育園児の娘2人の親権を得たものの、マンションは元夫名義。住み続けるために35年ローンで買い取った。「このままの働き方では払い切れなくなる。定年後も稼げるように手に職を付けたい」。パソコンが好きだったためIT系への転職を希望してハローワークを訪ねるも、「40歳近くで未経験では無理」と告げられた。介護職なども視野に学び直しを検討するなか、ある記事が目に留まる。
国のIT人材不足対策として「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」により給付金で学べるというもの。第四次…とはデジタルトランスフォメーション(DX)による進行中の産業革命を指す。「これだ! 受け皿はある」と直感した。 同制度の活用とともに、ひとり親向けの資格取得給付金を受けられる学校を探し、IoT(あらゆるモノをインターネットに接続する技術)エンジニアコースに40歳で入学した。「働きながらの勉強で睡眠時間を削りましたが、気持ちは充実していた」。2社から内定をもらい翌年イベント会社に転職、月給も6万円上がった。現在は、実家の飲食店メンテナンス業のDXも手掛けている。「勤怠、経理、税金、契約、帳簿管理、売り上げ管理など、すべての業務において紙からデジタルへの転換が進んでいる。こんなシステムを入れたら便利になるよという局面で役立ちたい」
ITエンジニアのコミュニティーにも参加して知識と人脈、視野が広がった。「まだ十分に稼げていないが、頑張れる道筋はできたかな。勉強は裏切らない」というのが実感だ。途方に暮れて最初に頼ったのは、区役所のひとり親相談窓口だった。「アンテナを張れば支援が見つかる。給付金の情報は、自分から取りに行かなければわからなかった。動くことが大切」こども家庭庁では、ひとり親の資格取得を支援する給付金制度を設けており、対象は看護師、保育士、介護福祉士などのほかLPI認定(Linuxに関する技術認定)といったデジタル分野も含まれている。「IT資格は修学期間が約1年間と短くオンラインで進められ、子育て中のキャリアアップに向く。給付金で学びたい母親が急増している」と、ITスクール大手「インターネット・アカデミー」(東京都新宿区)。
2年前にシンママ向け教育サービスを新設し、これまでに700人超が入学。複雑な給付金の申請手続きもサポートしている。高等職業訓練給付金、同修了支援給付金、自立支援教育訓練給付金を合わせて、年間200万円以上を受給した住民税非課税世帯の母親もおり、今や受講生の3割が給付金利用のシンママ。〝シンパパ〟にも対応しているが利用は僅かという。
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