写真は2013年9月、都内で撮影(2024年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 19日 ロイター] - 資金の流れの変化を財務省・金融庁・日銀が連携して監視し、金融機関の監督に活かしていく必要があるとも述べた。 日銀は正常化に向けた情報発信を強めており、市場の関心はマイナス金利の解除時期とその後の利上げペースに集まっている。森田氏は「金融システムや市場に大きな影響が出るような形では日銀はやらないのではないか」と語る一方で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の実効性が緩んで金利が上昇を始める可能性に言及し、「1つのレジームチェンジだと当局は捉える必要がある」と指摘。金融機関などの行動がどう変化するのか注意していく必要があるとした。 リーマン・ショック時に金融庁の証券課長や銀行第一課長として危機対応に当たった森田氏は、「金利のある世界」では預金を貸し出しに回すと銀行は金利収入が増えるため、「規模の競争を目指すインセンティブが出てくる」と説明。損失を吸収する体力が不足したり、リスク管理が整っていない銀行も規模拡大を追求する可能性があるとし、「獲得した預金に見合う質の良い資産を積み上げないと大変なことになる」と警戒感を示した。不適格な銀行の経営者自身に、規模の競争に参加しないと判断する「胆力」があるか、監視する当局側に、そうした銀行を制止する「胆力」があるか試されるとした。
さらに保険や年金基金、シャドーバンクを含めて資金の流れがどう変わり、歪みがないか当局は見ていく必要があると指摘。個別の金融機関の監督にとどまらず、資金の流れ全体を把握しながら行う監督手法「マクロプルーデンススーパービジョン」を財務省・金融庁・日銀が連携して取り組んでいくべきと述べた。
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