現在はトランプ氏の痛烈な批判派に転じているペンス前副大統領の側近だったオリビア・トロイ氏は「20年の選挙前にトランプ氏が行ってきたのと完全に同じ手法だ。怒りと分断、政治的暴力への布石がまた敷かれようとしている」と警告した。
トランプ氏陣営の広報担当者は、同氏が本選結果に異議を唱えるのか、あるいは政治的暴力をあおろうとしているのかとのロイターの質問には直接回答しなかったが、そうした懸念を否定。「トランプ氏は常に、自由で公正な選挙を提唱しており、そこでは全ての合法的な投票がカウントされ、不正は根絶される。民主党こそが民主主義の存続に関わる真の脅威だ」とコメントした。ジョンソン下院議長は先週、市民権のない人が連邦選挙で投票するのを禁止する法案を発表。民主党が優勢な上院で否決されるのは確実だが、これが「民主党は支持拡大のため移民の流入を許している」という虚偽の主張をしているトランプ氏陣営への援護射撃であるのは明らかだ。バンス上院議員は12日のCNNのインタビューで、本選が「自由で公正」ならば結果を尊重すると述べたが、共和党はいかなる問題も追及する用意があるとくぎを刺した。そして「20年の不正」を最も声高に主張しているのは、やはりトランプ氏本人だ。11日にニュージャージー州で開いた集会では、バイデン氏が得意とするのは選挙でごまかしをすることだけだと切り捨て、民主党を「ファシスト」と呼んだあげく、「今年の大統領選を彼
21年1月の連邦議会襲撃事件を調査する下院特別委員会に参加したウィルキー・ファー・アンド・ギャラガーのパートナー、ティモシー・ヒーフィー氏は、多くの支持者はトランプ氏のメッセージを単なるレトリックでなく、文字通りに受け止めると指摘。だからトランプ氏が選挙の「ごまかし」や「操作」に言及すればその影響力が大きいのは襲撃事件で見られた通りで、同氏の言葉に基づいて行動する人々が存在する、と付け加えた。その理由はまずトランプ氏が現職の大統領でなくなり政府組織を動かせなくなったことと、前回選挙結果を覆そうとした多数の側近が訴追され、他の側近が同じ行動に出るのをためらうとみられるからだという。
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